若者たちは今起きている事態を世界中に発信する準備をしているという。
高井さんと情報交換をする。
といっても俺は昨日の昼飯時からグラウンドまでの話をするだけだが。
犬にスマホを付けた話をした。
やはりGPSは監視されているという。
しかし、あの犬が捕まり、俺のスマホのプロフィールや写真のアルバムを見られたら大変らしい。
まず、自宅や会社の捜索はもちろん、一緒に写真に写っている人物にも取り調べが行われる。
幸いプロフィールは白紙で風景写真しか残していない。
電話帳はロックをかけてある。
両親は他界し、妻と娘がいるが海外旅行中なので心配はしなかった。
「目的は占領ですか。
日本人は強制労働を強いられますか?」
高井さんに質問する。
「ありえます。
殺害しないのは利用する目的があるのです。」
辺りの人々は黙っているが、聞き耳を立てているのがわかる。
「殺されないなら反撃のチャンスはありますよね。」
「あの首輪の仕組みを知ってますよね。」
高井
「はい、苦しむ人々を見ました。」
「日本人の習性を利用した武器ですよ。
自分が行動すれば、周りの人間が苦しむ。
どうです?
手を出せませんよね。」
高井さんは周りの人を見渡しながら言う。
「なるほど。日本人の習性か。」