41 冷凍庫の中 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

≪バタバタバタバタ≫

足音が近づく。

近い。

目の前にいる。

このまま通りすぎてくれ。

≪キィ≫

冷凍庫のドアが半ドアだった。
兵士は

見逃さなかった。

一人が、足を止める。
もう一人を呼び止めた。

≪ガバッ≫
勢いよく観音開きのドアを二人で開いた。



「………………………」
俺は黙って身を硬くした。


そして兵士は、

顔を見合せてから

路地を走っていった。



冷凍庫に入らなくて助かった。

あのとき

俺は、踏み台にした二段目の箱に全体重を乗せた。

それはキャベツの段ボール箱だった。

なんと、箱が持ちこたえず、
ズブズブと箱にめり込んでしまったのだ。

両足が段ボールに挟まってしまった。

もうこうなったら、

もう1つ段ボールを被って冷蔵庫の脇に伏せていた。

とにかくやり過ごすことができた。

昔、メタルギアというスパイゲームをしていて良かったと思った。