37 追跡 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

ラジカセしか武器になるものがない。

いや、待てよ。


「おねえちゃん、iPhoneを出して。」

「なんで!?」

「どうりで俺たちの居場所がわかるはずだ。

この    GPSだ。

俺たちだけ座標が動いた。」

「GPS…なるった。
(なるほどなっとくした。)」

「おいで、ワンちゃん」
レトリバーに声を掛ける。

飼い犬だ。
しかも頭の良い犬種。
ビビることはない。

レトリバーがペタペタと歩み寄る。

「かわいい。」
彼女が頭から背中を撫でる。

その間に、俺は2台のスマホを首輪にくくりつけた。

「これでよし。」

「うん。
ごめんなさいね。
頑張ってよ。」

彼女が犬に別れを告げると、俺はわざと追い払った。

レトリバーは、たまに振り返ったが、遠くへ走ってくれた。

「さあ、こっちへ。」
ここは、さっきの食堂の裏口だ。

大きな冷蔵庫が、店の裏にある。

ここに隠れよう。





言っておく。バカッターではない。