業務用の大きな冷蔵庫だ。
中身を掻き出して、スペースを空けよう。
観音開きのドアを開けた。
けっこう片付けてある。
彼女なら入れるだろう。
「急いで」
追っ手が追い付くぞ。
「オッサマは?」
俺を心配してくれるのか。
「俺は上に入るから大丈夫だ。」
「わかったわ。」
彼女が潜っていく。
さて、上は…
冷凍庫か。
停電して半日経過したのに冷え冷えだ。
この冷凍肉が保冷剤になっている。
気が引けるが、肉のベッドに寝転がるしかないな。
助走をつけて飛び込んだ。
「冷た~、いや痛い。」
「キャア!!」「イヤァ!!」
下の冷蔵庫から悲鳴が。
二人!?
女の声は確かに2つ聞こえた。