35 トラップ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

兵士をギリギリまで引き付ける。

兵士は何か叫んで、首輪を一本手にした。

「3。2ぃ。今だ!」
空中に小麦粉の大きな紙の袋を持ち上げ、サッと袋だけを引いた。

慣性の法則で一瞬、小麦粉は空中に留まり、兵士の頭上に舞い落ちた。

紙の袋を投げ捨て、一斗缶の廃油を蹴り倒してから逃げた。

粉まみれの二人は、次に地面の油に足を取られ、倒れた。

舞い上がった小麦粉に兵士のライトが当たり、しばらくコミカルな動きのシルエットが映された。

これで距離が稼げるはず。

キャンプセットだけ彼女が持って行ってくれたらしい。

ラジカセを持って逃げる。

しかし、なぜ兵士は真っ直ぐ追って来たのだろう?


もしかしたら…


早く彼女に追い付こう。