34 路地 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

久しぶりに走っている。

息が続かなくなった。

真っ暗な路地だ、入る瞬間は見られてない。

行ける所まで行こう。


「なんで、なんでなんでよ。
あいつら路地に入ってきたし。」
彼女

「何ぃ、マズラ!」
(俺にギャル語がうつった)

もつれる足で壁を伝いながら走る。

「ちょいち、ちょいち、
オッサマ(オッサンの謙譲ギャル語)」

「なんだよ。」

「オッサマが遅いから追いつかれちゃうよー。」
押してくる彼女

「そんなこと言っても」

邪魔くさいのはキャンプセットでもラジカセでもない、俺か。

「もうー、あたしが先に行くから。どいて。」

狭い路地で入れ替わろうとする。

「わかったわかった!!」
壁に背中を付ける俺

「あの…」

「あ、そうだね。」
壁に腹を付ける俺

この狭い路地の一番狭いような所だ。

「ふっっ。っつ」
彼女は壁と俺の数センチの隙間に飛び込んだ。


「は、や、く。」
苦しい

「う。っう、痛ぁい。」
彼女

俺の肩甲骨に柔らかいものが当たる。

力が抜けそう。

「ッハァ、出られた。」
胸をさする彼女

「大丈夫?          あっ来たぞ。」
兵士はすぐそこにいる。

「まずらし!!」(マジだし)

「先に行け。俺が食い止めるから。」

「え、どうやって。
オッサマじゃゼッテー的ムリでしょ。
首輪されちゃうよっ。」

「良いものを見つけたんだ。」

トンカツ屋の裏に廃油と小麦粉の袋があった。