俺とギャル店員は日が落ちるまで静かに過ごした。
これだけ物に囲まれていたが、食料はレジの横で売っていたキャンディとチョコレートだけだ。
この事態では金は取らないと言ってくれた。
その代わり彼女をしっかり守ろうと思う。
吉備団子ではなく、キャンディでお供を得た彼女。
さて、外を覗いてみる。
戦車も兵士もいない。
彼女は裏口に回って様子を見てきた。
「大丈夫よ。」
迷彩服の彼女はたくましく見える。
逃げるとしても何処へ行けば良いのか?
災害なら避難所だが、この場合は。
警察署に駆け込むべきか?
答えは出ない。
答えなんか無いのだろう。
兵士から見つからずに生き延びるしかない。
お一人様キャンプセットとラジカセを持って、裏口から店を出る。
黒づくめの俺はなるべく影を選んで歩く。
彼女も生け垣に身を隠したりしながら歩く。
あてはないが、なるべく人が居ない方を目指すことにした。