23 外に | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

新興宗教団体 マルテシア
は数年前までは聞かなかった名前だ。

中国出身のスーヘン とかいう男が代表だ。

とかいう男
なんて言ったが、聞かれたら大変だ。

彼を、メシア、救世主と崇めている連中がいるからな。

この平和ボケの時代に全く必要ないメシア様が日本に降臨したのだ。

ニュースを見るたびに笑わせてもらっていたが…

これが奴らの仕業なら。


相変わらずガスは引かない。

振動も数回あった。

とにかく外の様子を見よう。

カウンターにあった黒っぽいテーブルクロスを被ってショウウィンドゥへ、ホフク前進。

ガラスの外、白一色の世界に迷彩服の男の後ろ姿がある。

ガス弾を射つ銃を右手に持ち、それを頭上で降っていた。

まるで、交通誘導のガードマンだ。

すると、ジリジリと細かい振動が始まった。

煙から現れたのはブルドーザーだろうか?

近づくとシルエットがはっきりしてきた。

振動はキャタピラーだ。

兵士の誘導で視界数メートルの国道をキャタピラーが進む。

〈ポフン〉

路上のキャリーバッグを潰した。

開きっぱなしの車のドアもアルミホイルのように潰してしまう。

そのブルドーザーの後部には長い棒がある。
最近のブルドーザーにはクレーンアーム付きか。


突然、クレーン部先端が閃光を放つ。

そして、ショウウィンドゥに爆風でヒビが入った。

〈キーーン〉
突然の爆音で俺は耳が聞こえない。

ブルドーザーが爆発したのか。



前後に揺れる黒い重機の車体
を眺めていた。

これ、・・・戦車だ。

砲弾が、遠くのビルに着弾する頃に気づいた。