ハグワン 2 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

《ヒュイーー》

ハグワンは滑走路の端でエンジン出力を上げる。


ジェットエンジンを前後の主翼に四機下げている。

四枚の主翼には航空機として初のシステムが搭載されていた。

なんと、上から見た翼の真ん中に穴が開いているのだ。

その中にローターが在り、上昇、下降、さらにはホバリングを可能にしている。


ジェット機 + ヘリコプター

という珍しい機体だ。


テスト飛行の今日も、フェンスの向こうをカメラを構えたギャラリーが埋め尽くしていた。



ジェットエンジン音が高音域になると、ギャラリーの歓声も
『オォー!』
と低音域の振動を発した。

その共鳴がビリビリとフェンスを震わせると、止まっていた景色が動き出した。


ハグワンは加速しながら前傾姿勢になると、空気を押し固めた坂道を駆け上がるかのように力強く離陸した。


チャカチャカというシャッター音が鳴り止む頃、また歓声が上がった。