「でもこの映画館はそろそろ時代遅れになるんだよ。
今はデジタル化が進んでいるから。」
館長
「フィルム映画は配給されないですか?」
「データで配給が常識だね。
映画も3Dの時代だから。
大音量、大迫力の3Dは人気があるんだ。
お客さんは隣町の映画館に行くようになったから、もうここも…」
寂しそうな館長
俺の仕事はどうでも、この映画館が無くなるのはつらい。
大音量、大迫力以外なら十分に楽しめる。
レトロな雰囲気も良かった。
しかし、毎回、空席の方が多い。
掃除は楽だったが。
おじさんの為に何かできないか?
事務所で奥さんも一緒に会議をした。
その日の結論
椅子を半分に間引きした。
そこへ簡単なサイドテーブルを置くことにした。
今日はサイドテーブル造りだ。
力仕事は久しぶりだなぁ。
コフィは手すりを付ける手伝いをしてくれた。
前例の字幕の見やすい席をシルバー席にする。
シートの頭のサイドにセリフ専用のスピーカーも設置した。
明日はスロープ造りだ。
ハイテク映画館にはかなわない、くつろげる映画館を目指してリニューアルをする。