翌日。
俺は仕事に行く。
仮登録期限を過ぎたがコフィが毎朝弁当を作ってくれる。
本当にありがたいし、コフィにもなにかしてあげたい。
もちろん契約すればいちばん良いのだろう。
しかし、本社と交信ができない。
2013年には、まだアビーノイドを作った会社が無いのだ。
タダでいい思いをしている。
実は、幸せ過ぎて罰が当たらないかビクビクしている。
今日は、映画館にコフィも連れて行く。
館長のおじさんは大のSF好きだ。
コフィにはいかにもロボットです、というカクカク動きをしてもらった。
館長は涙を流して喜んだ。
そして
どこで手に入れた?
という話になる。
未来から来たなんて話はぶっ飛び過ぎて館長には通じないから、直志さんの名前を出した。
「この町にも素晴らしい博士がいたんだねぇ。」
と納得していた。
「マサル君。」
館長はスクリーンを見つめて言った。
「はい。」
「このスクリーンで見た宇宙戦闘史という映画にハマってねぇ。
何度も何度も見たよ。
当時のSFは模型で撮影していたけど、その完成度は素晴らしかった。
ロボットや宇宙人もゴチャゴチャ出てくるんだ。
そういうの好きだろ?男の子なら」
「はい。好きです。」
「そんな未来がすぐそこにあるんだなぁ。
館の掃除もロボットがやってくれるだろうなー。」
「え!ロボットの掃除なんか、あれですよ、ほらプログラムとか面倒ですよ」
コフィを紹介してリストラとか勘弁してくれよ。
これが罰とか?