「……」
何と声を掛けていいものか。
鉄板で出来たカラフルなサイコロが20個ほど落ちてきただけだ。
これをロボットと紹介されたのだ。
直志さんは自信があるようで、ますます困った。
「ねぇ。…直志。
これじゃ、工事は出来ないわよ…ね。」
おばさんは1つのサイコロを抱えた。
「そうだよ。」
直志さんは、さらっと肯定した。
「あれが要ですね。」
コフィが砂山から転がってきた紫色のサイコロを見た。
遅れてきた1つを抱えた直志さん。
「親方。始めてくれ」
紫色の箱に話し掛けた。
スイーン スイーン
紫色の箱の底から五本の脚が出た。
クモに似ている。
それを地面に置くと
トコトコと歩き出した。
箱の上が開くと四本のアームが飛び出した。
中心からポールが伸びてパラボラアンテナを開く
箱から変形してロボットになったのだ。
続いて赤い箱もグレーの箱もおばさんの抱えた箱も脚を出した。
カチャカチャとカニの群のようにパイプに群れて行く。
「スゴイ…それぞれが勝手に動いている。」
誰も操作していない。
紫色の親方キュビアが図面を元に指示を出す。
赤の溶接キュビア
グレーの測量キュビア
黄色の支えキュビアが連動してパイプを繋いでいく。