研究小屋とは、小さなプレハブだった。
「ロボットを見にきました。」
俺は、さっそくロボットを探して見渡した。
「ありがとうございます。ゆっくりご覧下さい。」
直志さんは笑った。
「どんなのが出来たんだい?」
おばさんもコフィ目当てなんて言って、やっぱり直志の作品が気になっていたんだ。
しかし
砂山と土管が倒れているだけだ。
予想しているガンダムのようなロボットが見当たらない。
直志さんはまず、プレハブに案内した。
プレハブの中はテーブルが1つと鉄板やコードが散らかっていた。
「片付けようか?」
おばさんが手を出すと
「触らないで、わからなくなるから。」
という。
パソコンをパチパチやると。
プレゼンに使った映像が流れた。
そのプロジェクトとは。
人口爆発による食糧難に備え、中国の砂漠地帯を緑化するのだという。
そして砂漠の真ん中に水を送る為のパイプを建設するのだが、現地は砂嵐や気温差など、人間が作業するには過酷であった。
そこで、ロボットを遠隔操作して建設することになった。
このプロジェクトに世界中から一流企業が名乗りを上げた。
その新聞記事を父親から受け取ったのだ。
プレゼンには超有名企業がズラリ。
現地にハイテクマシーンを持ち込んだ。
次々と大型重機や建設ロボットがデモンストレーションを行う。
そして砂嵐の中でパイプを繋いで見せると歓声に包まれた。
その動画をパソコンで見てから外へ出る。
あの砂山からザバッとロボットが現れるに違いない。
ワクワクして砂山を見つめる俺とおばさん。