未来少年コフィ 30 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

レイトショー後の掃除が終わった。

さて帰ろう。


こんなに家に帰るのが楽しみな日も珍しいな。

「なんだか、楽しそうだな。
もう帰るのかい?」
オーナーのおじさんにも見抜かれていた。

いつもは閉館後に飲み食いしながら話し込んでいるから今日は寂しいだろう。

子供だったらお土産でも買って帰るのだが、ロボットが喜ぶ物は考えつかない。

喜ぶこと自体が無いか。

早く帰ってやろう。


家に着いた。

庭もきれいになって、シルバーのピットケースは美術館のモニュメントのようだ。

建物は、しょうがない。
借家だからいじれない。

「コフィただいま。」

「お帰りなさい。マサル。」

お。部屋が暖かい。
これは嬉しいことだ。

そうそう、未来の話を聞いてみたい。

「コフィ。
未来では火星に人間は住んでいるの?」

「ワタクシのデータには火星の情報は少ないですが、火星対応機種は発売されてます。

住むなら月面マンションの方が売れてますよ。」

「月面にマンション?」
サラッとすごいこと言うなぁ。

「2020年のオリンピックは成功したかい?」

「はい。
開催中は無事故でしたから成功と言っていいでしょう。」

「そうなんだ。
競技の結果はいいよ。」
何でも知るのは良くないな。