お昼になると
あたりまえのように買い出しに行かされる。
注文を取る奴がいて、メモを渡してくる。
私はこれを完璧にこなしてくる。
逆に多く買って、教室で売ることもある。
購買のおばさんに話をつけてあり、取り置きがある。
人気のないパンも完売する私は重宝される。
それに、新商品の手応えをおばさんに伝える任務もある。
教室で聞いた感想をメモにして渡す。
「あぁ。チキンが歯に挟まるか。
改良だね。
いつもありがとう。」
おばさんはメモを受け取った。
私の遅いお昼ごはん
というのも、私の分として買ったパンを、半ば強引に買い取られるフリをするからね。
「足んねー。
お前の一個売れよ。」
「やだよ。
これしかないんだから。」
「売れよ。じゃあ20円足すからよ。ほれ。
ジャーマンポテバー、ゲット」
机に金を置いて持ち去った。
心の中では
まいどありー
だ。
弁当を持ってきた時期は、いちいちおかずにケチをつけられ、わざと唾を飛ばして大声でしゃべられた。
黒板消しをバンバンされたり、手を洗ってる隙に弁当を開けられて箸をごはんに立てられたり。
先生がいない時間は奴らのヤリ放題。
私は円形脱毛症を隠すように髪を伸ばした。