~IOTA DEN~ 97 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

《バシーン》

「華伽っ!息を止めているかっ?」
有火馬

「ホワロは、お前に死んで欲しくない!」
重烏

《バシーン》

『早く渡さないと…
あぁ、かなりヤバいぜ』
老子の声

「テメェ!」紫雲

《バシーン》

「偉王汰に続いて、和尚と華伽もなんて。」
楼射




《ギィー。》

後ろの扉がゆっくり開いて、光が入る。

そこには、扉にもたれる人間のシルエット


「…はっ。
お前…は。」
振り返った有火馬


「地獄の閻魔様が…まだ、悪党退治が終わってねぇ‥って。
追い返され…ちまった。ハハ」
シルエットの途切れ途切れの声


「偉王汰!偉王汰だ!」
紫雲 楼射 重烏

「偉王汰。…参上」
偉王汰は間仕切りに歩いた。


「偉王汰どうしよう。
もう、三分以上経つ」
鳴き声に近い重烏

「クロハネ最大のピンチだ。
ここは
心を一つに。」
偉王汰が人差し指を掲げ、それを間仕切りのド真ん中に押し付けた。


「…そうか!」
紫雲

「闇雲に押していてはダメなんだ。
体当たりの力が分散されていたんだよ。」
楼射

偉王汰は頷いた。


《チャリ、スゥー》
全員で刀を抜く


『和尚も私も…がんばぅ、か、ら
助…けて』
華伽


「今。心を一つに」
偉王汰


「ァアアアー、覇ァーッ!」

間仕切りの一点に刀の刃先を一斉に突き刺した。

《ップシャ》
ひび割れた。


「よし。」偉王汰

「うむ。」有火馬


間仕切りから離れて横一列に並ぶ
《バッ、ダッダッダッ》

助走を付け

飛び蹴り
「覇ァーッ!」
《パキッパキパキ》

遂に、間仕切りを壊した。

「野郎っ!」
紫雲

「和尚さん!」
偉王汰

「華伽!」
有火馬

皆、間仕切りを飛び越える。