~IOTA DEN~ 90 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「偉王汰!
偉王汰!
おいっ
怒るぞホントにっ。」
紫雲は声が震え始めていた。
横たわる偉王汰の胸を叩く。


反応は無い



《バタバタバタバタ》
この音は‥
屋上に出られる塔屋の扉からだ。
誰かが駆け上がってくる足音。

「偉王汰。
敵だ!

三途の川で水浴び中なら引き返せ!」
紫雲は脈の無い右手首を持って振り続ける。


《バチャン》
勢いよく塔屋の扉が開いた。

「いたぞ!クロハネだ。」
「逃がさん」
「見ろよ。1人は弱ってる」


扉から出て来た忍者兵は5人。

「偉王汰。
これは、最後の賭けだ。」

紫雲は首に巻いてあった鎖を束ねた。

それを偉王汰の胸の上に置く



「さぁ来い。
中国忍者ども!」

紫雲は刀を置く。
武器も持たずに傭兵に向かって歩く。

「ナメられたな。
素手とは」
中国忍者は武器を放り、カンフーの構えをする。

「おぉ、中国拳法。
一度試してみたかった。
我々の忍者武術とどちらが上か」
紫雲は立ち止まって
左手を丹田(へその下)
右手を胸の正面に構えた。


「お前1人如き。」
先頭の1人が右手を上げると

4人は構えを解き、腕組みをした。

「こやつら、はるばる日本から来たんだ、一分くらいは遊んでやれ」
腕組みの忍者兵

「一分も遊んでもらうヒマは無いんだよね」
紫雲

「死に急いでいるなら、30秒だ。」
先頭の忍者兵

「どうかな」
紫雲

「ハッ」 「ハッ」

格闘が始まる。