独房
カンウェは大の字に寝ている。
呼吸が整ってきたようだ。
腹部がゆっくり上下する。
虎だと思ったシミの周りに、連打の血が付着していた。
解毒薬は本物であった。
「よし、かかれ。」
老師の声
「はい。」
研究員
「タン。
複製が終わるまで警戒しろ。
奴らは必ず来る。」
老師はタンに言った。
老師は、カネの入ったケースを抱えると、取っ手を握るカンウェの右手首を剥がし、廊下に捨てた。
「はい。
ネズミ一匹入れませんよ。
…いや、蛇かな。」
タン
「蛇?」
老師
「研究員以外は武器を持て!
敵が来る。
女以外は皆殺しにしろ。」
タン
「はっ!」
「了解!」
武器庫から台車が出てくると、研究員以外の人員に銃と無線が配られた。
「さぁ、クロハネ。
いつでも来やがれ。」
タンは老師に付いて廊下を歩き出した。