この宇宙人の説明では、
地球人を一人残らず宇宙船に乗せて、地球から脱出させる
ということだ。
そのほかに虫や動物を回収する宇宙船も飛ばしたという。
ガマグチを逆さにしたような宇宙船は、林を地表ごとさらって運んだそうだ。
なぜ、宇宙人がそこまでしてくれるのか?
人間が、欲と楽を追求したばかりに、地球をダメにしてしまったのに。
なぜ、そんな人間を受け入れてくれるのだろうか?
森田はジッと宇宙人を見つめた。
これは親切なのか。
それとも、やはり人間を利用しようとしているのか。
中村も宇宙人を見つめていた。
同じことを考えているのだろう。
視線を浴びた宇宙人は、こう答えた。
「今、何を考えているか?
解るよ。」
宇宙人
少し驚いた2人
宇宙人は続けた
「それは、
人間の祖先は、ワレワレと同じということ。
忘れてないよね?
人間の元が、地球の地底から文明を発展させ、人間も進化した。
何億年もかけて、ここまできた。
そんな仲間を見捨てるわけ、ないだろ。」
「ありがとう」
森田は小さな声で言った。
感謝の言葉だが、あまり大きな声は出せなかった。