闇夜にスタジアムの照明が宇宙船を照らす。
宇宙船の底面から何本かチューブがスタジアムのコートに降りている。
まるで掃除機のように、透明なチューブが人間を吸い込んでいる。
人間は、何度も回転しながら宇宙船に吸い込まれた。
男はスタジアムの観客席を駆け上がり、一番高い席を目指した。
「ハァハァ、ハァ
何なんだ。
スタジアムだけじゃない。
街が、
宇宙船だらけだ!」
街を見下ろせる客席に立ち、異様な光景を眺めた。
モニターを消した宇宙人
「残りの30分。
ワレワレは、テレビを電波ジャックして、地球人に直接訴えた。
全てを捨てて宇宙船に乗り込んで欲しい。と
それには催眠術が有効だった。
テレビを見た地球人は宇宙船を目指して歩いた。
ワレワレは何百機、何千機の宇宙船を地球に送り、地球人を回収したのだ。」
宇宙人
「回収。
つまり、みんなは生きてるんだね!」
大野
「そうだ、みんな、生きている。」
宇宙人