宇宙船はフワフワと空中で止まっている。
上空100メートルから街を見下ろしている。
「わぁぁ。」
「これじゃジャングルだよぉ」
「僕の家、たぶんこの辺」
子供たちは1週間ぶりに見た街がここまで変わっていて驚いている。
(実際は一年と数日経っているが冷凍されている間の記憶が無い。)
「見てよ。
観覧車なんてあったか?」
大野
「観覧車?」
中村
「発送電タワーだ。
観覧車ではないんだ。」
宇宙人
モニターのタワーを拡大して映し出した。
「なんだ、前からある鉄塔だ。
ツタで緑になってクリスマスツリーみたい。」
森田
「そう、鉄塔。
あれにソーラーパネルでできた風車をつけた。
風力発電と太陽光発電と送電線が合体したんだ。」
宇宙人
「かっこいい!」
大野
「つけたって、誰が?
人類はいないはずでしょ。」
中村