u.g 087 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

かつてマンションや低層のビルが並んでいたコンクリートの白っぽい街並みは、一年足らずで緑化し、白を塗りつぶしていた。

青い空 白い雲

眼下には輝く緑

この美しい景色はモニターで見ると、異国のリゾートのようだ。

実際は放射能汚染され、5分といられない。

ナウシカの腐海を思い出した。

グロテスクな動物と聞いて、あの体育館からオームが顔を出したら…
と考えるとモニターを見るのも怖い。

先生はこの町で生まれ育った。

子供の頃は、ここまでではないが緑に溢れていた。
高速道路と地下鉄が延びてくると、開拓に拍車がかかり、山は削られ、田畑は埋められていった。

山郷は人間の巣に変わっていて、白っぽい街は騒音と熱気と薄暗い日陰をつくっていた。


便利さ 清潔さ は良くなった。
ただ、見えるところは綺麗にするが、陰は逆に荒れていた。

地球の怒りか土地の神の仕業か、ここは大雨にみまわれる。

荒れた陰の部分を洗い流しているようだ。

アスファルトは、それを川にして流す。

窪地で被害を受けるのは、以前から住んでいる方々であった。

谷間にある川は、土手をコンクリートに代え大雨を加速させて隣町へ逃がす。

街を縫いながらカクカクと曲がった川は、その急カーブを曲がれずに溢れ出し、土手を越えていくのだった。

その浸水被害が集中する場所は住む人も居なくなり、やがて原発が建つ。


もちろん浸水など受けない設計だ。

断層の検査もしっかりしている。


あの日

強烈な地震が大地を波打たせ、炉と管理棟の間に地割れを起こす。

炉は制御されず

今に至る