おじ少 110 約束 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

タイル張りだった床がフローリングになっていた。

業者に頼まずマツさんが独りでコツコツと作業したはず。

これを一枚ずつ剥がすのも大変だ。

しかし剥がさないとボンベが破棄できない。

しばらく床板を眺める。
マツさんなら、何か仕掛けがあるはず。

部屋を見渡すと、ホワイトボードの裏にツルハシを発見。
イカリの形の道具だ。

左に傾けて立てかけてある。

近づくとやはり
ツルハシの先から槍のようにもう一本の鉄の棒がフローリングの下に伸びている。

「これはレバーだな」

左側に30度傾いた柄を、右に倒す。

《ギッ、キキキ》

ギアの音
右に30度倒して止まった。

そして振り返ると…

幅30センチの床板の一枚一枚がクルッと反転。

床板の裏にくくられたボンベ、全75本が一斉に現れた。

「まるで忍者屋敷だな。」

各年代のラベルがボンベに貼ってある。

空気を圧縮して詰める道具も発見。



今日の空気を一本に詰める。

それと、ある一本を残して、ボンベを破棄した。

この二本をアパートに持ち帰った。

工場に出向き、岡部さんに会う。

あの小屋はマツさんの所有地だと伝え、処分を依頼した。


さて、アパートに帰って、やることがある。

俺は、1993年以前の小銭と帰りのボンベとデジカメを持った。


さて準備完了。


1993年のボンベに口をつける。

マツさんと缶コーヒーで乾杯をするために。







おじさん少年記 完