おじ少 103 秘密基地 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

5日経った。

やはり、他人に会うのは怖い。

この世界を知らない俺は、周りの常識が変わっていないかが心配なのだ。

例えば、これは極端だが、
「おはようございます。」
と挨拶をする。

「おはようとは失礼な奴だな。」

と言われたらどうします?

ま。
そんなことは無いですけど。
常識や空気やニュアンスが変わっていたら困るんですよ。

まるで外国に来た気分です。

すっかり引きこもっていた5日間。

さて、マツさんの小屋へ行かないと。


街を歩く。

俺の知っている街と変わらない。

遠くにダムが見える。
鬼留ダムだ。

かすみ湖に沈んだ霞村、あそこにいたんだなぁ。


小屋はこの辺なはず。
変わってしまったなぁ。


マンションとマンションの隙間に塀に囲まれた敷地があるが。

草に埋もれている。

鉄のゲートの立入禁止の看板が錆びている。

マンションから見下ろされてるようで気になるが、入るしかない。

《クィーィ》
ゲートを押す。
草をなぎ倒し、ギリギリ入れるようになったが、服に錆びが付かないように、カニ歩き。

草をかき分け小屋へ。

廃車シティだ。
タイヤが破けている。
車内にはモトコンポの残骸。

松木のベルコンの看板があった。

鍵を取り、南京錠を開けた。