おじ少 98 全校登校日 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

病室にナースが入ってきた。

「小野田くん。
検査の結果が出たわ。」
名札は太田

香ちゃんだ。
ナースになったんだ。似合ってるなぁ、優しいし天職だね。

「全部異常なし。
あんたは車にひかれても死なないわね。」
げっ!
「チクリのキョーコが医者に!」

「なによ。ノダマン!
点滴終わったら出てちょーだい。
チクリのキョーコがチクリと行くわよ。」
キョーコが点滴を吊す。
注射針を持って笑ってる。


「ジャンジャジャーン。
お前のタイムカプセルだ。」
ベッドを跨ぐテーブルに長細いクッキーの缶を置いた吉田

「ありがとうヨッチン。
えー。
フタに
俺のお宝
って書いてあるよ。」

「何ちゅうタイトルやねん」
キョーコ

《カッポ》
「おっ出た出た。
イオタのスーパーカー消しゴム。
噛みつき婆さん消しゴム

レイちゃんの…髪飾り。」

「ヒューヒュー。」
吉田

「もうちょっと静かに…ね」
香ちゃん

「それ。
宝物にしてくれたんだ。」
レイちゃん

「も、もちろん。」
恥ずかしいぞ、ミツル少年。

あとひとつ封筒に入ったものがある。
そっと布団の中に隠した。

「白崎隆影って覚えてるか?
タカだよ。」
ダイモン

「タカ。あっうん。
どうしたの?」
懐かしいな。

「タカがおもちゃ屋を始めたんだ。」
ダイモン

「模型屋ね。
ミニカーとかプラモデルとか」
吉田

「あいつらしい。
よく、ビッグワンガムとか持ってったよなぁ。
病院に。」

そうだ。
この病院にタカは入院していたんだ。

「クラスで千羽鶴作ったわね」
香ちゃん

「そうそう。
他のクラスは夏休みにタイムカプセルを埋めたのに、うちのクラスはタカの退院を待って、卒業式の翌日に埋めたんだよな。」
吉田

「え?
夏休みに…」
覚えてない。

「全校登校日。
あの事件の日よね。」
レイちゃん

そうか。
先に埋めたカプセルの空気を吸ったんだ。

だからあの日に…