「大丈夫ですかっ!
先生呼びましょうか?」
誰かが俺の背中を叩く
「…え?…はぁ。
あっ。大丈夫です。」
意識が戻ってきた。
アスファルトに伏せていたんだ
。
腹の下に『急』の文字がある。
何だろう?
《ヒヤァホオ、ヒヤァホオ》
救急車のサイレン。
「…?
…はっ。ヤバい」
俺はすぐ、そこを離れた。
《ヒヤァホオ、ヒッ》
あの場所へ救急車が勢いよく突っ込んできた。
さっきの『急』は救急車専用の文字だった。
救急入口でナースが待ち構える。
「患者は胸部圧迫でしたね」
ナースの一人
「それが…」
ハッチから降りてきた救急隊員。
「どうしたの?
早く降ろして下さい」
ナース
「患者さんが消えたんです。」
隊員
「消えたって、どういうこと?」
ナースが救急車を覗く。
「こつ然と酸素ボンベごと…」
隊員
「あなた、疲れがたまっているのね。
ほら…私にははっきり見えますわ。」
ナース
「えっ…確かにさっきは」
隊員
間一髪
ボンベを抱えて救急車に飛び込んだんだ。
どうやら時間ピッタリに戻れたらしい。
ストレッチャーを押す隊員は、まだ納得いかない顔だ。
ここに検査入院することになった。