おじ少 95 平成ジャンプ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

マツさんとシティで市立病院へ向かった。

救急車が停まる場所に着いた。

服も着替えたし、酸素ボンベもある。

問題はタイムラグだ。

半年もズレてここに来たわけだから、こんな薄着のままで真冬の雨の夜中にワープなんかしたら…


「小野寺、いや小野田くん。
未来に戻ることができたら、また逢いたいな。
君は何分か先の話、私は三十年も先の話だが。
まっ、わしが生きていればの話だがね。」
マツさん

「絶対逢えますよ。
三十年後、突然、社長宅と工場におじゃまします。
松木さんの居場所を調べて、会いに行きます。」


「そのときは…また缶コーヒーで乾杯しよう。」
マツさんが笑った。

「はい。」

「寂しいもんだな。」

「はい。
では、お元気で」
頭を下げた。

酸素ボンベを開栓する。
マスクの内側にラップを貼って空気漏れを防いでいる。


俺はマツさんを見つめながら

ゆっくり

胸一杯空気を吸った。


手を振るマツさんが歪んでいく。

苦しい。

まるで毒ガスを吸ったようだ。

意識が

なくなる。