「ぅおおー」
ヤンググレーマンAがバットを振り上げた。
《ヒュン》
《パシ》
猛は、思い切り振り下ろされたバットを右手でつかんだ。
「離せ」A
「離さない。
君は…斉藤君だな。」猛
「なんで知ってんだよ」A
「バットに書いてある。
君は地元高校のエースじゃないか。新聞で読んだぜ」猛
「だから?」A
「目を覚ませ斉藤君!
君は、操られているのだ。」猛
「うぜぇ。」B「ばーか」D
《バシッ》《ドス》
「うっ…ぎっ。」猛
わき腹や背中を叩かれ続ける猛。
斉藤のバットだけは離さない。
「これを見ろ。」
猛は転がるボールを掴み、斉藤の目の前に。
「は?」A
「これは、君たちの追う夢の塊だ。
このバットだって、こんなことをするために持ってきたわけじゃない。
仲間と強化合宿に来たはずだ。
ただ旅館だとだまされて奴らに。」猛
「野球なんてどうでもいい。今はオマエを倒すだけだ」A
「そのグレーの布を脱ぐんだ。
これはマインドコントロールだ。
頼む、目を覚ましてくれ。」猛
「うるせぇんだよ。離せ」A
「離さない。
斉藤君、このボールを持つんだ」猛
「ボールだと」
仕方なくボールを持つ斉藤
「悪魔の呪いなんて、吹き飛ばす夢の力があるだろ。」猛
「夢の力」
斉藤はバットを離した。
「…斉藤?」B