1 白く | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

真っ白な部屋

壁も床も天井も、光沢のある白だ。

天井一面が光り、光は、乱反射することで部屋全体が明るい。

自分の影も無い。

ここは、俺の務める工場の食堂なんだけど、メニューといえば、その日の気分の色で選ぶというボタンが壁にあるだけ。


ここに務めて20年経つ。

昔は良かった。

定食は、A定 B定 を日替わりで楽しみ、ここのメシを食いたくて仕事してる みたいな。

調理のおばちゃんは、頼まなくてもライスを大盛にしてくれたり、ここの広さを利用してバンドやマジシャンを呼んだり。


しかし、あのガタガタの机と赤い箸たちは、1日にして片付けられ、一週間の騒音が明けると、この食堂になっていた。


社員の不満?

ないさ。

やっとうちもか
って喜んでるよ。

俺は古い人間だから、ありえねぇと思ってる。



この食堂システムは当たり前なのさ。


2022年だからね。




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物語は、フィクションです。