72《手首》 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

取材陣が消えると野次馬が近づいた。

さっきから家をジロジロ見てくる男がいる。

野次馬の後ろに立ち、左手でケイタイを持ち、電話している。

娘のおもちゃ箱から双眼鏡を出す。
2倍にしかならないが役立った。
左利きの男の手首にタトゥーがある。
鹿の角のような模様だ。
あの日、電話ボックスで見た左手。
黄色ピエロを見つけ出した。


電話の相手はピアス男だろう。
もーめんとに向かわせているはずだ。


今、通報すべきか?

山さんにメールしよう。

すぐ返事がきた


『ここに飛び降りろ』
だって。
外を見ると


え?


軽トラの幌を指差してる山さん