「逃げ回る将太」
検査の日、将太はいつものように逃げていた。基地内の監視システムで将太のバイタルを確認すると、公園のベンチでボーッとしているのが映っていた。
シンとニックは気配を消して近づき、ベンチの両側に座ると、シンがニヤリと笑いながら声をかけた。
「ヨォ、ヤンチャ坊主。何してんだ?」
「うわぁぁぁぁぁ!! な、なんでぇぇぇぇぇ!?」
将太は驚いて飛び上がり、そのまま逃げようとしたが、すでにニックが腕を掴んでいた。
「捕まえた〜♪」
「離せぇぇぇ!」
もがく将太を軽々と持ち上げ、シンとニックは基地へと連れ帰った。
「隠している怪我」
特別医療棟の診察室で、将太は腕を組んでふてくされていた。
「なあ、将太。なんで逃げた?」
シンが尋ねるが、将太は視線を逸らして口をつぐむ。
「言いたくない、か。じゃあ…」
シンはポケットから注射器を取り出し、透明な液体の入ったシリンジをわざと見せつける。
「話さないなら、これで白状させるしかないか?」
「わかった! わかったから!!」
将太は顔を真っ青にして叫んだ。
「目の検査が…嫌だったんだよ…!」
「目が痛いのか?」
「……」
将太は再び口を閉ざした。
「将太、隠しても無駄だよ〜?」
ニックがニヤニヤしながら言うと、将太は観念したようにため息をついた。
「最近…ちょっと痛い…」
「それを早く言えっつーの!」
シンはため息をつき、ニックと顔を見合わせた。
「隠し事はよくないぞ。お前、隠れて薬を盗んだこともあるよな?」
「……」
「痛みや恐怖から逃げようとするんじゃなくて、ちゃんと向き合う必要がある。お前が怪我や病気を隠しても、結局バレるんだからな。」
「…だって…痛いの嫌なんだもん…」
将太の小さな声に、シンは眉をひそめた。
「痛みをなくす方法はある。でも、それを知るためには検査が必要だ。」
「…本当に?」
「ああ。だからまずは、MRIに入れ。」
「…うぅぅ…」
将太は渋々ながらも、観念したように頷いた。