「克服への一歩」


MRIの部屋に入ると、将太は機械を見て少し身をすくめた。


「怖いか?」


シンの問いに、将太は小さく頷いた。


「じゃあ、条件を出そう。ちゃんと受けられたら、ご褒美をやる。」


ご褒美?」


「お前の好きなものをやるよ。」


ほんとに?」


「嘘ついたこと、あるか?」


将太はしばらく考えたあと、小さく首を振った。


ない。」


「なら、信じろ。」


将太は少しだけ安心したように、小さく息を吐いた。


わかった。やる。」


そう言って、ゆっくりとMRIの台に横になった。


それを見届けながら、シンとニックは静かに頷き合った。


「矯正はこれから」


この一歩は小さなものかもしれない。だが、確実に前進している。翼の言うとおり、無理やり押し付けるだけではなく、納得させることが大切なのだ。


「さて、次は何を克服させるかねぇ〜?」


ニックが笑いながら言うと、シンも薄く笑った。


「順番にやっていくさ。」


まだまだ将太の矯正は続く。


だが、確実に進んでいることは間違いなかった。