「克服への一歩」
MRIの部屋に入ると、将太は機械を見て少し身をすくめた。
「怖いか?」
シンの問いに、将太は小さく頷いた。
「じゃあ、条件を出そう。ちゃんと受けられたら、ご褒美をやる。」
「…ご褒美?」
「お前の好きなものをやるよ。」
「…ほんとに?」
「嘘ついたこと、あるか?」
将太はしばらく考えたあと、小さく首を振った。
「…ない。」
「なら、信じろ。」
将太は少しだけ安心したように、小さく息を吐いた。
「…わかった。やる。」
そう言って、ゆっくりとMRIの台に横になった。
それを見届けながら、シンとニックは静かに頷き合った。
「矯正はこれから」
この一歩は小さなものかもしれない。だが、確実に前進している。翼の言うとおり、無理やり押し付けるだけではなく、納得させることが大切なのだ。
「さて、次は何を克服させるかねぇ〜?」
ニックが笑いながら言うと、シンも薄く笑った。
「順番にやっていくさ。」
まだまだ将太の矯正は続く。
だが、確実に進んでいることは間違いなかった。