前回ブログⅡ84では、紙面の都
合上、引用した中央教育審議会答申
名を載せることができませんでした。
引用した答申は次の通りです。
・平成23年6月生徒指導に関する教員研
修の在り方研究会
・平成24年8月教職生活の全体を通じ
た 教員の資質能力の総合的な向上方策
について (答申)
・平成27年12月これからの学校教育
を担う教員の資質能力の向上について
実践的指導力という概念は、19
86年の臨時教育審議会第2次答申
において用いられた概念です。
1980年代後半以降、学校現場
では非行、校内暴力、いじめ、体罰
など、いわゆる教育荒廃問題が表面
化してきました。この荒廃現象に対
する改善策として教員の資質向上が
求められ、その中核として「実践的
指導力」が重視されました。
「学校経営重要用語300の基礎知識」
(岡東他編集 明治図書 2001)
したがって、私自身の肌感覚でいう
と、「指導力」は、理論的で包括的
色彩を強く感じる概念でですが、
「実践的指導力」は、具体的で、
機能的で、目の前の子供を自分はど
う指導して成果を上げるか、危機管
理に近い概念として受け止めていま
す。学校現場で、教師として子供に
対峙した時、自分が現在有している
知識・技能を総動員して子供に向き
合い、対処することになります。
そこで機能する力が実践的指導力と
いえます。
顧みると本ブログでも、指導力、
実践的指導力の文言を使っていまし
た。
2015年5月26日のブログでは、
「教員が身に付けるべき力(東京都)」
(「東京都教員人材育成基本方針」20
08(平成20)年)として、学習指
導力、生活指導力・進路指導力、外
部との連携・折衝力、学校運営力
・組織貢献力の4つの力を教員のラ
イフステージに応じて身に付けるべ
き力として紹介しました。
前回ブログⅡ84でみたように、
実践的指導力は、子供と向き合い、
子供が必要とする最適の方法を具体
的指導場面に取り入れ、指導するこ
とでした。一人一人の教師が教育現
場で自分のもてる力を機能させ指導
する。その実践の積み上げが、より
高度な実践的指導力を生み出すはず
です。
前述した「教員が身につけるべき
4つの力」(東京都)を紹介します。
※学習指導力
〇授業をデザインする力、
〇ねらいに沿って学習を進める力
〇児童・生徒の興味を引き出し、個
に応じた指導をする力
〇主体的な学習を促すことができる
力
〇学習状況を適切に評価し、授業を
進める力
〇授業を振り返り改善する力
※生活指導力・進路指導力
〇児童生徒と良好な関係を構築する
力
〇児童生徒の思いを理解し、適切に
指導する力
〇児童生徒の個性や能力の伸長並び
に健全な心身及び社会性の育成を
通して自己実現を図らせる力
〇自校の生徒指導・進路指導上の課
題を発見し解決する力
※外部との連携・折衝力
〇保護者・地域・外部機関に適切に
対応する力
〇課題に応じ保護者・地域・外部機
関と連携を取り、解決に向けて取
り組む力
〇保護者・地域・外部機関との協働
の下、自校の教育の向上を図る力
〇学校からの情報発信や広報、保護
者・地域・外部機関からの情報収
集を適切に行う力
※学校運営力・組織貢献力
〇校務において企画・立案する力
〇上司や同僚とコミュニケーション
をとりながら、円滑に公務を遂行
する力
〇組織の一員として校務に積極的に
参画する力
〇校務の問題点を把握し改善する力
子供の抱えている課題、学校が直面
している課題は複雑で、多様性をも
っています。
これに対応するためには、教師の実
践的指導力も多様性を持ち、柔軟で
なければいけません。
時には、保護者や地域社会の協力を
得るため、子供のためにどうすべき
か、また、どうあるべきかの理論構
築や説得が必要になることがありま
す。この時、教師としての誠実さ、
真摯な姿勢が周りの人の信頼を得る
ことになります。
実践的指導力の高まりは、状況を改
善し、子供の学習環境の質を高めて
いく原動力になります。
「4つの力」を参照しながら、自
分ならこんなことに取り組んでみた
い等、シュミレーションしながら
実践的指導をイメージしてみること
も、大切ではないでしょうか。