教員採用論作文作成支援ルームとエイジング

教員採用論作文作成支援ルームとエイジング

教員採用試験での論作文作成のヒントをつづります。
昔の教え子が『教育論文をどのように書けばよい?』の
質問に応える気持ちで、ブログを運営していきます。
経験:小・中・高校教員、公立小学校長、論作文添削

 学校の有している教育資源を最大

限に活用し教育効果を上げるために

は、協働態勢を確立し、それぞれの

教職員が持っている力を要所、要所

で発揮する、いわゆるチーム学校が

必要になります。

 

 しかし、チーム学校の利点を理論

的に理解していても、実際の学校現

場で、うまく機能することができる

か、困難点を整理しておくことが大

切になります。

 

チーム学校に必要な協働連携を阻害

する要因の1つに、各学校が、長年、

無意識のうちにつくりあげてきた、

独自の学校文化があります。

この中で、チーム学校や同僚性にか

かわる学校文化として、教師間にあ

る相互不干渉主義、共同歩調主義に

留意する必要があると考えます。

 

 教師は、教育のプロとしての誇り

と自信を持っています。人を教える

仕事にプライドも持っています。人

を指導する立場から、これらはとて

も大事な要素です。

 この誇り、自信、プライドに固執

しはじめると、自分の弱さを見せた

くないという心境になることがあり

ます。その結果、他から見られ、評

価されることが苦手であり、個に閉

じこもり、自分を開くことに消極的

になる傾向になります。

 オープンになれない教員が職場に

大多数を占めた場合、相互不干渉の

風潮が学校に生じてきます。

 

相互不干渉の代表的な事例として、

学級王国があります。

昔、教職課程で「学級王国をつくる

な」と教わりました。教師が自分の

学級を抱え込み、自分のクラスの子

供のマイナス面を指摘されると自分

のマイナス面を指摘されたように捉

える教師がいました。

この教師の良さは、子供を抱え込む

ほど、子供の教育に熱心でもありま

した。子供から慕われてもいました。

 

しかし、担任の抱え込めない事態や

問題が発生した時、閉鎖的な分だけ

問題の解決に時間がかかることがあ

りました。

 

 相互不干渉の対極に、共同歩調重

視があります。

共同歩調は、各個人、学級がばらば

らで指導するのではなく、できるだ

け同一の歩調で子供の教育に当たろ

うとするものです。同一水準の教育

を提供するという大義名分にもなり

ます。

共同歩調の典型は、学年会です。

学年会では、学年の課題や情報の共

有はじめ学年の子供が抱えている課

題解決に向けて取り組んだりします。

学年経営の柱になっています。

「基本的なことは学年会で、具体的

な指導は各学級で」が、共同歩調の

典型的スタイルです。

 しかし、同じように進むことは大

事なことですが、学年会の縛りが強

くなると共同歩調が同一歩調になり、

同調圧力となって、構成員の創意工

夫を縛ることになります。

また、構成メンバーの力量によって、

安きに流れる危険性を含んでいます。

 

 理想の組織の典型モデルは、人間

の身体組織にあると考えます。

心臓の各組織は、収縮、拡張と別々

の働きをしていますが、鼓動は1つ

に聞こえています。

しかも鼓動、血圧は、自律神経の働

きによって早くしたり、遅くしたり、

強く押し出したりするなど、状況や

精神状態に応じて調整します。

 「各自、各部署はバラバラな動き、

働きをしていても、総体として1つ

の動き、働きをしている」状態の学

校、それが、チーム学校の姿ではな

いでしょうか。

心臓での自律神経に相当するものは、

学校の組織では「情報のネットワー

ク」が考えられます。ここでは、得

られた情報を共有化するための会議

の在り方も重要になってくるはずで

す。

〇参考文献・「実践コラボレーション経営」

         (原田、山崎、日科技連、1999)

 

 「生徒指導提要」では、連携協働

ができるため、次のように提唱して

います。

※チームによる連携・協働を実現

①一人で抱え込まない  

一人でやれることには限界がありま

す。一人で仕事をこなさなくてはと

いう思い込みを捨てて組織で関わる

ことで、児童生徒理解も対応も柔軟

できめ細かいものになります。

 

②どんなことでも問題を全体に投げ

     かける

些細なことでも、学年会や校務分掌

の会議、職員会議、ケース会議等に

報告し、常に問題を学年全体、学校

全体として共有する雰囲気を生み出

すことが大切です。

 

③管理職を中心に、ミドルリーダー

    が機能するネットワークをつくる

情報の収集と伝達を円滑に進めるた

めのネットワークを学校の内外につ

くることが求められます。その際、

連携した行動の核となる司令塔(コ

ーディネーターの役割を果たすミド

ルリーダー)の存在があってはじめ

て、役割分担に基づく対応が可能に

なります。

 

④同僚間での継続的な振り返り(リ

    フレクション)を大切にする

 思い込みや独善を排するためには、

常に自分たちの考えや行動を自己点

検する必要があります。同僚の教職

員間で継続的に振り返りを行うこと

で自身の認知や行動の特性を自覚す

ることができ、幅広い他者との協働

が可能になります。

 前回のブログ記事に「同僚性」と

いう文言が出ていました。

チーム学校の構築には、構成員であ

る学校教職員間の「同僚性」が基軸

になります。

 

では、「同僚性」は、いかなるもの

でしょうか、次の定義が参考になり

ます。

教育実践の創造と相互の研修を目

的として、相互に実践を批評し合い、

自律的な専門家として成長を達成す

る目的で連帯する同志的関係である。

(佐藤学氏)」(「学校経営重要用語300

の基礎知識」(岡東、林他、明治図書、

                                                         2001)

 

ここでは、教師の力量形成を主眼に

して述べられていますが、現在は、

教育実践における同志的関係に力点

が置かれています。協働体を形成す

る組織風土、実践にむけて協力・連

携する人間関係として捉えると分か

りやすいのではないでしょうか。

 特に、学校が一丸となって取り組

まなければならない生徒指導におい

て同僚性は必須条件です。

 

「生徒指導提要(令和4年版)」では、

次のように述べています。

〇同僚性

 教職員集団の同僚性

組織的かつ効果的に生徒指導を実践

するためには、教職員同士が支え合

い、学び合う同僚性が基盤となりま

す。教職員や専門スタッフ等の多職

種で組織される学校がチームとして

実効的に機能するには、職場の組織

風土(雰囲気)が大切です。

    換言すると、学級・ホームルーム

担任中心の抱え込み型生徒指導から、

多職種による連携・協働型生徒指導

へと転換していく際に重要となるの

は、職場の人間関係の有り様です。

 

上記の「同僚性」では、教職員同士

の支え合い、学び合いを強調してい

ます。前回も述べましたが、ここで

は互いに補完し合える職場の組織的

風土が大事になります。

 

私の初任校は、私立の中学校と高校

の併設校でした。

この学校で勤務した時、生徒指導で

孤立したことはありませんでした。

先輩の先生が相談に乗ってくださっ

たからです。

生徒指導のノウハウを場面・場面に

即して教えていただいたと思ってい

ます。特に、高校生になると、自分

の過ちを認めるまでに、長い時間を

有しました。そのあとに、どうする

かの問題解決が待っています。

粘り強く、とことん話し合うことも

学びました。この間、周りの先輩が

支えてくれました。

 

時を経て、公立小学校に勤務し、

校長になった時、この経験が生きま

した。

高校生の問題行動に比べ、小学生の

問題の複雑さは、限定的です。

解決できないことはありません。

それと同時に、校長は教師を支える

立場です。初任の時、支えられたよ

うに、支える立場で問題解決に向か

うことができました。

 

同様の内容が「生徒指導提要」に次

のように載っています。

 (1) 教職員の受容的・支持的・相互扶

       助的な人間関係

 組織的・効果的な生徒指導を行うに

は、教職員が気軽に話ができる、生

徒指導実践について困ったときに、

同僚教職員やスタッフに相談に乗っ

てもらえる、改善策や打開策を親身

に考えてもらえる、具体的な助言や

助力をしてもらえる等、受容的・支

持的・相互扶助的人間関係が形成さ

れ、組織として一体的な動きをとれ

るかどうかが鍵となります。

    また、職能開発という点からも、

教職員が絶えず自らの生徒指導実践

を振り返り、教職員同士で相互に意

見を交わし、学び合うことのできる

同僚関係が不可欠です。

 

 (2) 教職員のメンタルヘルスの維持と

       セルフ・モニタリング

生徒指導を実践する上で、教職員の

メンタルヘルスの維持は重要です。

自分の不安や困り感を同僚に開示で

きない、素直に助けてほしいといえ

ない、努力しているが解決の糸口が

みつからない、自己の実践に肯定的

評価がなされない等により、強い不

安感、焦燥感、閉塞感、孤立感を抱

き、心理的ストレスの高い状態が継

続することがあります。この状態が、

常態化するとバーンアウト(燃え尽

き症候群)のリスクが高まります。

チーム学校として機能しなければな

らないことの第1に生徒(生活)指

導が挙げられます。

 

取り組まなければならない問題が、

多くの子供が関わっている場合や対

外的な関係を有している場合等、担

任だけで対処するのは困難です。

 

「生徒指導提要(令和4年版)」では、

「チーム学校として機能する学校組

織 」について、次のように述べてい

ます。教員採用試験準備にも役立つ

と考え、以下、抜粋、要約します。

 

※チーム学校の定義

校長のリーダーシップの下、カリキ

ュラム、 日々の教育活動、学校の資

源が一体的にマネジメントされ、教

職員や学校内の多様な人材が、それ

ぞれの専門性を生かして能力を発揮

し、子供たちに必要な資質・能力を

確実に身に付けさせることができる

学校

 

〇ここで大事なことは、教育資源

(人的資源、立地等環境的資源、物

   的資源)、教育課程(カリキュラム、

   教育活動)が、意図的・計画的に

   マネジメントとされていることで

   す。

〇チーム学校で大事なことは、「校

    長のリーダーシップ」です。校長

    をトップに、構成員一人一人が自

   分のもっている強みを組織で発揮

    し、組織の発展のために寄与する

   ことが大切になります。

    ところが、メディア等で取り上

   げられる学校で、記事の中に管理

   職の姿が見えない場合があります。

   管理職が前面に出て事態を調整す

   れば、問題がもっと簡潔に解決で

  きたのではないかと、記事を読み

   ながら推測することが多々ありま

   す。

〇私が校長になった時、先輩校長か

    ら学校経営で絶対守らなければな

 らないことは、「シナスナ、モヤ

 スナ」であると 教わりました。

 前者は、かけがえのない命を守る

 こと、火事によって、市民の財産

 を失わないこと、 両者は、失われ

 ると元に戻すことができないもの

 です。

〇見方によっては、これ以外の問題

    や事態は、工夫すれば、なんとか

    解決の方法があるということです。

    その知恵を出し合い、学校が一丸

    となって取り組む、チーム学校と

   しての真価を発揮できると考えま

    す。

 

※チーム学校を実現させる4つの視点

①教員が教育に関する専門性を共通

    の基盤として持ちつつ、それぞれ

    独自の得意分野を生かしチームと

    して機能する。同時に、「心理や

    福祉等の専門スタッフを学校の教

   育活動の中に位置付け」、教員と専

   門スタッフとの連携・協働の体制

   を充実させる

②「『チームとしての学校』が機能

   するためには、校長のリーダーシ

    ップが必要であり、学校のマネジ

   メント機能を強化していくこと」

   が求められる。

   そのためには、「主幹教諭の配置

   の促進や事務機能の強化」など校

   長のマネジメント体制を支える仕

   組みの充実を図る

③校長がリーダーシップを発揮し、

    学校の教育力を向上させていくた

    めには「副校長の配置や、教頭の

    複数配置、事務長の配置」など、

    校長の権限を適切に分担する体制

    や校長の判断を補佐する体制の整

    備によって、管理職もチームとし

   て取り組むこと

④第四の視点として、教職員間に

   「同僚性」を形成すること

 

〇学校では、様々な課題が発生しま

    す。一見、些細な問題のように見

    えても、背景は大きく深い問題も

    あります。したがって、小さく見

   える問題には、大きな問題が潜ん

    でいるとの認識をもって解決に当

   たることが大切になります。

 

〇私が校長として赴任した最初の学

     校は、児童数700名近い規模で

     した。人数が多ければ、それだけ

     問題も発生しやすくなります。

 

●当時の記録帳には、年末に教職員

     に話した、次のようなメモが残っ

     ていました。

 「仕事とは、問題の解決である。

 組織は、解決されるべき問題の集合

 体である。」(マクドノウ)

      という言葉があります。

 この一年を振り返ると問題の連続

 でした。

①子供に関しては、不登校やいじめ

    の対処がありました。また、思い

   やりのある子供の育成と主体性の

   ある子供の育成について、取り組

   みの検証や次の取り組みへの検討

   が残っています。

②教職員に関して、健康管理の大切

    さと、長期休職者に対する学校と

    しての組織的対応が課題です。

    この時、感情的なしこりが残らな

    い態勢づくりが大切になります。

③地域・保護者に関して、悩んでい

    る保護者に対して、学校としてど

    う対応するか、その解決策を探っ

    ていく必要があります。また、人

    間関係が希薄な地域の中で学校の

    果たす役割も大事になります。

 これらの問題において、すでに解

   決されたもの、解決されようとし

   ているものがあります。しかし、

   まだ、解決されていない問題があ

   ります。学校としてどう向かい合

   うか、この冬季休業期間中、とも

   に考えてみようではありませんか。

 

〇企業間でもアウトソーシング

 (企業間の連携)をするとき、特色

  のある企業同士でなければ、成功

   しないと言われています。自分の

  企業の強みと相手の企業の強みが

   連結して、1+1が3にもなり、

  4にもなるシナジー効果が、生ま

  れてくると言います。学校でも、

  個々の教師が有している強みを発

  揮させる態勢が必要になります。

〇では、弱みをどうしたらよいの

   でしょうか。

 人間は、大なり小なり皆、弱みを

  持っています。私の尊敬する校長

 は、職員の弱みを責めるのではな

 く、弱みは補うものだとの持論を

  持っていました。それが、教員の

   一人一人に浸透した時、各自の弱

  さを誰かが補い合い、カバーし合

  う学校文化(職場の雰囲気)が出

  来上がったと言います。

  これが、チーム学校の姿といえま

  しょう

教員と地域の人材とがチームとして

組織的に諸課題に対応するためには、

学校の体制が、組織だっていなけれ

ばなりません。保護者や地域の力を

学校運営に生かしていくことも必要

です。

私の経験から推察すると、単発な教

育活動の組織化は、保護者や地域の

方の学校を大事に想う気持ちがあり、

協力者も多く、苦労は少なくてすみ

ます。問題は、継続する活動の組織

化です。

 

継続した活動ができる組織をつくる

ために人材の確保が最大の難関にな

ってきます。

一般的に、知り合いに声をかけたり、

つてを頼って協力を依頼したりして、

輪を広げていきます。

 私は、地域の社会教育委員であっ

た時、学校が共通で活用できるよう

に「人材バンク」の設立を提言し、

教育委員会が中心になり人材の確保

に向け、取り組んだことを思い出し

ます。

 

次に、協力者が、安心して活動に参

加できる態勢づくりが必要になりま

す。

万が一の事態が発生した場合、ボラ

ンティア保険等、協力者自身の事故

に備えることも大事ですが、協力者

が責任追及の対象者にならないよう

な配慮も大事になります。

責任には、法的責任、民事的責任、

道義的な責任があると言われます。

この中で、道義的責任が盲点です。

指導者(協力者)としての一言が、

子供の心を傷つけることがあります。

また、スポーツ等では、けがに結び

つくこともあります。

 

主催者は、活動における最悪の事態

を想定してみることが必要になりま

す。万一、事故や思わぬ事態が発生

した時、学校としてどう対応するか

シュミレーションしておくことが大

切です。

保護者・地域の協力者の善意が、善

意として感謝のうちに終わる活動で

あってほしいと願っています。

 

以上、活動を推進するときの外側の

配慮について述べましたが、当然、

活動を円滑に推進するためには、内

側の配慮も欠かすことができません。

 

子供の学習指導を、チーム学校

(組織的共同体)として組織する

とき、留意しなければならないこと

を述べます。

 

C.Lバーナードは、「人々が自発的に

協力し続ける条件」として次の3点

を挙げています。

1共通目的:

・メンバーがこの目的なら協力した

 いと思える目標

・目的を組織の中核に据える

2.貢献意欲

・自分の時間や労力を組織に提供し

 ようとする意欲

3.コミュニケーション

・組織の目的や役割が正しく伝わ

 り、メンバー同士が連携できる

 状態

 

組織を結成した目的は何か、具体的

にどのような目標を達成しようとし

ているか、協力者と学校とが、共通

認識に立てるよう、理解し合ってい

る必要があります。協力者が、活動

に「意気に感じて、協力しくれる」

ことが、成功の第一歩です。

 

次に大切なことは、教師と協力者と

の良好な人間関係づくりです。

例えば、協力者は、教師が自分を信

頼し、頼りにしてくれていると感じ

た時、目的達成に向かって、教師の

よき同行者になってくれます。

 ですから、教師は、協力者を共に

取り組んでくださる仲間として、尊

敬の念をもって接することが大事に

なります。

 

ここでは、教師の人間性が問われて

きます。

「2006年度東京都教員採用選考問題:

教員には、豊かな社会性・人間性が求めら

れていますが、20年前の教師に求め

られただけでなく、現代の教師にも

必要な資質になっています。

本ブログでは、Ⅱ88で社会性につ

いて定義し、また、人間関係形成力

についても触れました。。

改めて、社会性と人間関係形成力を

まとめると次のようになります。

 

〇社会性と人間関係形成力

(①、②等の番号はⅡ88を参照)

●コミュニケーション能力 

(自分の思いを伝え、相手の考えを

 理解する力)①②

●アサーション

(相手の立場を考えながら、自分を

 素直に表現する力)③⑤

●共感性

(相手の考え方や気持ちを相手の

立場に立って感じ取れる心情)②④

●集団参加能力

(人間関係をつくり集団に適応でき

 る力)⑤⑥

●実践力

(物事を工夫してやり遂げる力)

           ⑥⑦⑧

●規範意識(ルールを守る)

●基本的生活習慣

(社会生活を営む上で最小限必要な

 習慣)

●自尊感情

(自分に対しての自信、誇り等の心

 情)

 

 協力者と良好な関係を維持し、目

的を達成するために上記の共感性と

人間関係形成力②④を大事にしてい

きたいものです。教師の実践力、姿

(⑥⑦⑧)から教師の子供を想う気

持ちは、協力者に伝わります。想い

は必ず伝播します。この時、協力者

は当初予想していた以上の成果を生

み出してくれます。

 教師として、協働の良さを実感す

る瞬間を迎えることができます

    これからの学校は、個々の教員が

個別に事態に対応するのではなく、

チームとして対応することが必要で

あるといわれるようになってきまし

た。

    チームとしての対応を中央教育審

議会答申では、どのように提言して

いるか、抽出してみます。

 

※チーム学校が必要なわけ

〇2012(平成24)年答申

ア.初任者が実践的指導力やコミュニ

     ケーション力、チームで対応する

     力など 教員としての基礎的な力を

     十分に身に付けていないことなど

     が指摘されている。

イ.いじめ・暴力行為・不登校等生徒

     指導上の諸課題は深刻な状況にあ

     り、陰湿ないじめなど、教員から

     見えにくい事案についても子ども

     の兆候を見逃さず、課題を早期に

    把握し、警察等の関係機関と連携

    するなどして的確に対応できる指

    導力を養うとともに、教職員全体

   でチームとして取り組む必要があ

    る。

 

〇2021(令和3)年答申

ア.いじめ・不登校などの生徒指導上

     の課題や貧困・児童虐待などの課

     題を抱えた家庭への対応,キャリ

    ア教育・進路指導への対応,保護

    者や地域との協力関係の構築など

    課題

イ.新しい時代に必要な資質能力の育

    成,そのためのアクティブ・ ラー

    ニングの視点からの授業改善や道

    徳教育の充実,小学校における外

    国語教育の早期化・教科化,ICTの

   活用,インクルーシブ教育システ

   ムの構築の理念を踏まえた,発達

    障害を含む特別な支援を必要とす

   る児童生徒等への対応,学校安全

   への対応,幼小接続をはじめとし

   た学校間連携等への対応など,新

   たな教育課題がある。

ウ.一人の教員がかつてのように,

   得意科目などについて学校現場で

   問われる高度な専門性を持ちつつ,

  これら全ての課題に対応すること

  が困難である。

 

※チーム学校の姿

〇 2012(平成24)年答申

エ.総合的な人間力(豊かな人間性や

     社会性、コミュニケーション力、

    同僚とチー ムで対応する力、地域

    や社会の多様な組織等と連携・協

    働できる力)

〇2021(令和3)年答申

オ.「チーム学校」の考え方の下,

 教員は多様な専門性を持つ人材と

 効果的に連携・分担し,教員とこ

 れらの者がチームとして組織的に

 諸課題に対応するとともに,保護

 者や地域の力を学校運営に生かし

 ていくことも必要である。

 

引用文献

①「教職生活の全体を通じた 教員の資質

 能力の総合的な向上方策について (答申) 」

 2012(平成24)年

②「令和の日本型学校教育」の構築を目指

 して ~全ての子供たちの可能性を引き出

 す、個別最適な学びと、協働的な学びの

  実現~(答申)」2021(令和3)

 

 

教師個々人の資質の向上が求められ

ていた時代がありました。教師にな

るのも狭き門を通らなければなりま

せんでした。大学では、教員採用の

合格率を上げるため委員会を設置し、

対策を検討するようなこともありま

した。

 

1990年代では、不登校、いじめ

の問題が顕在化し、教師には社会性、

コミュニケーション能力等、豊かな

人間性が標榜されるようになりまし

た。それとともに、学校には「開か

れた学校」として、地域の教育力

(環境、人材)の活用が求められる

ようになりました。

特に、生活科や総合的な学習の時間、

探究的な学習等、柔軟な学習内容、

形態を要とする学習においては、教

室の枠、学校の枠を超えた学習の場

と機会が必要になります。

 

2021(令和3)年答申、オに述べら

れているように、「「チーム学校」の

考え方の下,教員は多様な専門性を

持つ人材と効果的に連携・分担」

し,教育効果を高めていく必要があ

ります。

特に、専門的な知識、技能を有する

保護者、地域の人材との連携は重要

で、そのための人材の発掘が最重要

課題になります。

2006年度東京都教員採用選考問題

 教員には、教科指導の専門性に加

えて、実践的指導力や豊かな社会性

・人間性が求められています。

このことについて、あなたの考えを

述べなさい。

 

今回は、上記過去問の「社会性」に

ついて検討したいと考えます。

社会性について、本ブログでは

2015年6月9日に次のように取り

上げています。

⑴ 社会性の定義

 社会性とは、人が円滑な社会生活

を送るために必要な性質や能力のこ

とで、社会規範や行動様式の習得や、

対人関係を築き維持していくことな

どが含まれる。子どもは成長する段

階で、自身の自己を確立し、他者と

のかかわりの中から社会性を培って

いく。(「学習指導用語事典」辰野

編、教育出版)

 

 上記の定義において、「社会性」

は2つの側面から捉えることができ

ます。

1つは、「対人関係に関する内容」

で、人間関係形成力に関わることで

す。

2つ目は、「社会に適応するための

自己の資質に関する内容」で、社

会的規範や行動様式の習得等が該当

します。まとめると、各自がもつ社

会に適応するための諸能力、心情の

総体として捉えることができます。

 

 人間関係形成力について考えてみ

ます。よく学校は、組織的協働体で

あると言われます。

また、学習の場において「学び合い

や関わり合い」が大事だともいわれ

ます。そのためにはコミュニケーシ

ョン能力が大切になります。

 これらのすべては、人と人との関

わり合いが基になっています。特に、

組織内においてメンバー間の関係づ

くりが最重要課題になります。その

ためには、メンバーの一人一人が、

自分の良さを失わず、相手と連携で

きる態勢が大事になります。

 

どうすれば、そのような人間関係が

組織内に構築できるのでしょうか。

一般的に、人間関係づくりに必要な

要件を列挙すると次の諸点が考えら

れます。

 

●人間関係形成力

①自分と相手との価値観、意見の相

 違は当然との前提に立つ

②相手の意見をよく聞く

③相手の立場に立って考える

④自他の意見の同異点を整理する

⑤相手の話を受けて、返す

⑥「折り合い」を考える

⑦折り合いの提言(win-winを目指す)

⑧合意形成に基づいて行動、評価の

 機会を持つ。

 

 私たち人間にとって、人間関係の

形成は、生きていく上で欠かすこと

はできませんが、実際の生活におい

て厄介なこともまた事実です。何気

なく発した一言が相手を傷つけ、人

間関係が壊れることもあります。

反対に、感謝され、関係が深まるこ

ともあります。

 時には、モンスターペアレントな

どと、マスコミで取り上げられるよ

うな壊れた関係が担任と保護者の間

に生じる例もあります。

 

 この場合も、両者の人間関係は初

めから壊れていなかったはずです。

保護者は、入学の当初は、学校に、

担任に、期待もし、頼りにもしてい

たはずです。その人間関係がなにか

のきっかけで壊れてしまったのでし

ょう。

 両者に相手の言動が生じた原因に

想いを馳せる余裕があれば、新聞沙

汰になるほど深刻にならないですん

だはずです。

 

壊れた人間関係を修復するのは難し

いことです。上記、人間関係形成力

の①から⑧の1つでも改善できれば、

相手との距離が1歩近づくのではな

いでしょうか。

前回から教師の豊かな社会性・人間

について検討しています。

   前回のブログで見られたように、

 中教審答申における「豊かな人

間性」の強調している内容が、時

代の変化に伴って少しずつ変化して

いることを読み取ることができま

した。

 

東京都の場合、「東京都公立学校の校長

・副校長及び教員としての資質の向上に関

する指標」(令和5年2月改定版)

「東京都の教育に求められる教師像」

次のように示されています。

 

1.教育に対する熱意と使命感を持

    つ教師

①子供に対する深い愛情

②教育者としての責任感と誇り

③高い倫理観と多様性に配慮した人

    権意識

2.豊かな人間性と思いやりのある

   教師

①温かい心、柔軟な発想や思考、

    創造性

②幅広いコミュニケーション能力

3.子供のよさや可能性を引き出し

  伸ばすことができる教師

①常に学び続ける意欲

②一人一人のよさや可能性を見抜

    く力

③教科等に関する高い指導力

4.組織人として積極的に協働し互

    いに高め合う教師

①経営参画への意欲、協働性

②高い志とチャレンジ精神

③自他の安全を守る危機管理力

 

本題と関連する項目として

「2.豊かな人間性と思いやりのあ

る教師」が取り上げられています。

そして、その中味として「①温かい

心、柔軟な発想や思考、創造性

 ②幅広いコミュニケーション能力」

が提言されています。

 

2015年6月4日の本ブログで、

思いやりについて次のように述べ

ました。

①自分の身に比べて人の身につ

    いて思うこと(広辞苑)

②相手のそうせざるを得なかった気

     持ち、言動を理解し、受け止め、

    受け入れることができる。また、

    相手の立場、気持ちに自分を置き

    換えて考えることができる。

③相手のためによしと思われること

    に心を動かし、行動することがで

    きる。

 

過去のブログ記事は、思いやりのあ

る子供を育てるためにどのような教

育を進めるべきかが、話題の中心で

した。しかし、今回は、思いやりの

ある教師が対象になっています。

 ここで、サブテーマである「東京

都の教育に求められる教師像」に着

目する必要があります。

「思いやりある教師像」として、教

師自身が上記①~③の資質を有して

いる必要があります。

 教師の有している資質能力は、子

供の人格形成に直接影響を与えます。

教師の思いやりの心が教師の言動か

らにじみ出て、子供に浸透し、子供

を感化させると考えるからです。

 そのため、教師は意識的に自分が

自分を教育しなければなりません。

 

学びの場は教室です。

子供が先生です。

教師の学ぶ方法は、「学習者の心に

なって考え、学習者の目になって見

る。そして、励ます。」ことです。

 

この繰り返しによる実践を通して、

教師としての思いやりの心を高め、

身につけていけるのではないかと考

えます。(反省を込めて)

 

そして、この学びの延長上に

①温かい心、柔軟な発想や思考、

創造性 ②幅広いコミュニケーション

能力」が発揮されるのではないでし

ょうか。

2006年度東京都教員採用選考問題

 教員には、教科指導の専門性に加

えて、実践的指導力や豊かな社会性

・人間性が求められています。この

ことについて、あなたの考えを述べ

なさい。

 

     今回より、教師の豊かな社会性

・人間性について検討していきま

 す。

 中央教育審議会答申「新しい時代

の義務教育を創造する」(2005年

10月26日)では、次のように述べ

ています。

 教師には、子供たちの人格形成に

関わるものとして、豊かな人間性や

社会性、常識と教養、礼儀作法はじ

め対人関係能力、コミュニケーショ

ン能力などの人格的資質を備えてい

ることが求められる。

また、教師は、他の教師や事務職員、

栄養職員など、教職員全体と同僚と

して協力していくことが大切である。

 

※教員に求められる資質内容の変化

時代の変化とともに教員に求められ

る資質能力に変化が認められます。

「豊かな人間性」は次のようになっ

ています。

① 教育職員養成審議会答申「教員の資質

 能力向上について」

      (1987(昭和62)年)

〇豊かな人間性

・義務や約束を確実に履行する責任

 感を持つ

・正しい判断を持ち、公私を混同し

 ないなど公正である

② 教育職員養成審議会第1次答申「新た

 な時代に向けた教員養成の改善方策に

 ついて」(1997(平成9)年)

〇地球的視野、豊かな人間性

 ・人間尊重、人権尊重

 ・思いやりの心、ボランティア精

  神

〇変化への対応、人間関係に関わる

 もの                   

 ・コミュニケーション能力、ネッ

  トワーキング能力

③    中央教育審議会答申「新しい時代の

 義務教育を創造する」

     (2005(平成17)年)

〇総合的人間力

・豊かな人間性や社会性、常識と教

 養、礼儀作法はじめ対人関係能力、

 コミュニケーション能力、同僚性

 

 昭和の時代から平成中頃までの時

代を概観すると、世の変化とともに

教師に求められる「豊かな人間性」

の中身が変化しています。

 昭和の時代①、「豊かな人間性」

は、個人の資質である責任感、正し

い判断、公正さが重視されていまし

た。教師が世の信託を受け信頼を得

るためには、教師自らが襟を正し、

職務に邁進することが必要でした。

この時代は、現在より、教師は世間

からリスペクトされていた時代のよ

うな印象を持っています。

 

 平成の時代②、教師個人の倫理や

資質の重視から、他との関わりの重

視へと視点が変化しています。この

当時、変化の激しい社会にあって、

子供たちに自ら学び、自ら考える力

や豊かな人間性など、「生きる力」

を育成する教育を行うことが期待さ

れていました。そして、自他ともに

豊かに生きるなど、人類の在り方、

生き方考えた幅広い識見を教育活動

に生かすことができる教師の資質が

求められるようになりました。

 

 平成中頃の時代③、国際的視野を

持ち、 個人や社会の多様性を尊重し

つつ、他者と協働して課題解決を行

う人材が求められるようになりまし

た。また、多様な人間関係を結んで

いく力、地域社会の様々な機関等と

連携して対応することが不可欠にな

りました。これらのことから、豊か

な人間性や社会性、対人関係能力、

コミュニケーション能力などを有す

る「総合的人間力」が期待されるよ

うになりました。

 

余談になりますが、本ブログ201

5年3月19日に「総合的な人間力」

を次のように取り上げています。

岐阜県26年度

 『教職生活の全体を通じた教員の

資質能力総合的な向上方策について

(答申)』(平成24年8月28日 

中央教育審議会)において、これか

らの教員に求められる資質能力の

1つとして「総合的な人間力」が

述べられています。「総合的な人

間力」の具体としては、次の4点

が述べられています。

・豊かな人間性や社会性

・コミュニケーション力

・同僚とチームで対応する力

・地域や社会の多様な組織と連

 携・協力できる力

 この中で、「同僚とチームで対応

する力」とは、どんな力か。

 

● チーム学校は取り上げたいテーマの一

 つです。

 前回ブログⅡ84では、紙面の都

合上、引用した中央教育審議会答申

名を載せることができませんでした。

引用した答申は次の通りです。

・平成23年6月生徒指導に関する教員研

     修の在り方研究会

・平成24年8月教職生活の全体を通じ

     た 教員の資質能力の総合的な向上方策

      について (答申)

・平成27年12月これからの学校教育

    を担う教員の資質能力の向上について

 

 実践的指導力という概念は、19

86年の臨時教育審議会第2次答申

において用いられた概念です。

   1980年代後半以降、学校現場

では非行、校内暴力、いじめ、体罰

など、いわゆる教育荒廃問題が表面

化してきました。この荒廃現象に対

する改善策として教員の資質向上が

求められ、その中核として「実践的

指導力」が重視されました。

「学校経営重要用語300の基礎知識」

     (岡東他編集 明治図書 2001)

 

したがって、私自身の肌感覚でいう

と、「指導力」は、理論的で包括的

色彩を強く感じる概念でですが、

「実践的指導力」は、具体的で、

機能的で、目の前の子供を自分はど

う指導して成果を上げるか、危機管

理に近い概念として受け止めていま

す。学校現場で、教師として子供に

対峙した時、自分が現在有している

知識・技能を総動員して子供に向き

合い、対処することになります。

そこで機能する力が実践的指導力と

いえます。

 

顧みると本ブログでも、指導力、

実践的指導力の文言を使っていまし

た。

2015年5月26日のブログでは、

「教員が身に付けるべき力(東京都)」

(「東京都教員人材育成基本方針」20

08(平成20)年)として、学習指

導力、生活指導力・進路指導力、外

部との連携・折衝力、学校運営力

・組織貢献力の4つの力を教員のラ

イフステージに応じて身に付けるべ

き力として紹介しました。

 前回ブログⅡ84でみたように、

実践的指導力は、子供と向き合い、

子供が必要とする最適の方法を具体

的指導場面に取り入れ、指導するこ

とでした。一人一人の教師が教育現

場で自分のもてる力を機能させ指導

する。その実践の積み上げが、より

高度な実践的指導力を生み出すはず

です。

 前述した「教員が身につけるべき

4つの力」(東京都)を紹介します。

 

※学習指導力

〇授業をデザインする力、

〇ねらいに沿って学習を進める力

〇児童・生徒の興味を引き出し、個

     に応じた指導をする力

〇主体的な学習を促すことができる

    力

〇学習状況を適切に評価し、授業を

    進める力

〇授業を振り返り改善する力

※生活指導力・進路指導力

〇児童生徒と良好な関係を構築する

     力

〇児童生徒の思いを理解し、適切に

     指導する力

〇児童生徒の個性や能力の伸長並び

    に健全な心身及び社会性の育成を

     通して自己実現を図らせる力

〇自校の生徒指導・進路指導上の課

    題を発見し解決する力

※外部との連携・折衝力

〇保護者・地域・外部機関に適切に

    対応する力

〇課題に応じ保護者・地域・外部機

    関と連携を取り、解決に向けて取

     り組む力

〇保護者・地域・外部機関との協働

    の下、自校の教育の向上を図る力

〇学校からの情報発信や広報、保護

    者・地域・外部機関からの情報収

    集を適切に行う力

※学校運営力・組織貢献力

〇校務において企画・立案する力

〇上司や同僚とコミュニケーション

     をとりながら、円滑に公務を遂行

     する力

〇組織の一員として校務に積極的に

    参画する力

〇校務の問題点を把握し改善する力

 

子供の抱えている課題、学校が直面

している課題は複雑で、多様性をも

っています。

これに対応するためには、教師の実

践的指導力も多様性を持ち、柔軟で

なければいけません。

時には、保護者や地域社会の協力を

得るため、子供のためにどうすべき

か、また、どうあるべきかの理論構

築や説得が必要になることがありま

す。この時、教師としての誠実さ、

真摯な姿勢が周りの人の信頼を得る

ことになります。

実践的指導力の高まりは、状況を改

善し、子供の学習環境の質を高めて

いく原動力になります。

 

 「4つの力」を参照しながら、自

分ならこんなことに取り組んでみた

い等、シュミレーションしながら

実践的指導をイメージしてみること

も、大切ではないでしょうか。

2006年度東京都教員採用選考問題

 教員には、教科指導の専門性に加

えて、実践的指導力や豊かな社会性

・人間性が求められています。

    このことについて、あなたの考え

を述べなさい。

 

 上記、過去問を題材に教育課題を

考えています。問題文の中に「指導」

と「実践的指導」が並列して出てお

ります。ここで、あえて「実践的」

を強調したのは、なぜでしょうか、

疑問を覚えました。

 

 実践的指導力という文言は、この

ブログを開設した12年前から取り

上げていました。

例えば、2014年2月10日の記

事では、次のように述べています。

実践的指導力の定義は様々ですが、

学校経営重要用語300の基礎知識」

(岡東他編集 明治図書 2001)及び

中央教育審議会答申「教職生活全体を通し

た教員の資質能力の総合的な向上方策につ

いて」(平成24年8月)を参考にすると、

実践的指導力は次のようになります。

・教科指導、生活指導、学級経営等

     の営みにおいて、子どもを具体的

     に動かし、変容させる力。

・思考力・判断力・表現力等を育成

    するための学びをデザインする力

 

 また、 答申等を読んでいると、 

ここでも実践的指導力という文言に

出会います。

そこで、単なる「指導力」と「実践

的指導力」の意味するところを探っ

てみることにしました。

 

まず、実践的指導力が中教審におい

て、どのような文脈で使われている

か調べてみます。

① これからの社会で求められる教育

     の展開、学校現場の諸課題への対

      応を図るためには、社会からの尊

      敬・信頼を受ける教員、思考力

     ・判断力・表現力等を育成する

      践的指導力を有する教員

② 新たな学びを展開できる実践的指

     導力(基礎的・基本的な知識・技能

     の習得に加えて思考力・判断力

     ・表現力等を育成するため、知識

     ・技能を活用する学習活動や課題

     探究型の学習、協働的学びなどを

      デザインできる指導力)・ 教科指

     導、生徒指導、学級経営等を的確

    に実践できる力

③いじめ・不登校等の生徒指導上の

     諸課題への対応、特別支援教育の

     充実、外国人児童生徒への対応、

     ICTの活用をはじめとする様々

     な課題、学力の向上や家庭・地域

     との連携協力の課題に応える教員

     の実践的な指導力

④ 学級での生徒指導や教科における

      生徒指導では、児童生徒理解の理

      論や方法に基づき、子どもの状態

      や課題を的確に理解し、個別支援

      計画を立てた上での適切な支援を

      実行できることが求められる。そ

      のためには、児童生徒理解の基本

      的理論を身に付ける。児童生徒理

      解に必要な資料を収集し、学級の

      持つ組織的機能を高める。保護者

     や他の教職員と連携する。さらに、

      今日の社会情勢や教育を取り巻く

      実態を理解し、生徒指導の意義と

     課題、集団指導・個別指導の方法

     と原理を理解する。

 

※答申からみえる実践的指導力

①において、実践的指導力は、教師

 としてこれからの教育を具現化し

 ていくとき欠かせない資質能力の

 1つです。

② の実践的指導力は、教科指導、

 生徒指導、学級経営等を的確に実

 践できる力 です。また、知識技能

 の習熟、定着や探究学習、協働学

 習をデザインする力もこれに含ま

 れます。

・前述した2014年2月10日の

 ブログでの、実践的指導力の定義

 は、この答申に基づいています。

(「デザインし具現化する力」が必要

③ 教員の実践的な指導力は、生徒指

 導上の諸課題への対応、特別支援

 教育の充実、外国人児童生徒への

 対応、ICTの活用、学力の向上

 や家庭・地域との連携協力等の課

 題に応えるものです。

④生徒指導や教科における生徒指導

 を毎日の学級で児童生徒に向き合

 い、指導・実践できる力です。

 

※指導力と実践的指導力

 上記文例において、②で教科指導、

生徒指導、学級経営等、および知識

技能の習熟、定着や探究学習、協働

学習をデザインする力として、指導

力をとらえています。④では、生徒

指導の中身が取り上げられています。

生徒指導の意義と課題、子供理解の

理論、支援計画、関係する教職員の

協働体制、保護者、地域の関係団体

との協力体制の構築等の一切が生活

指導の概念に入っています。

 

これに対して、実践力は、次の特徴

を持っています。

②で実践力は、「教科指導等を的確

に実践できる力」となっています。

ここでいう、的確とは、子供の成長

にとって、最適の方法、手段を選択

し、実施できることです。③での実

践力は、子供が抱えている課題解決

や環境改善等に機能する具体的で実

践的な力を指しています

④では、実践的指導力は、指導を日

々の教育の場で実践できる力として

捉えています。