教員採用論作文作成支援ルームとエイジング
「健全な自尊感情を高める」ことを
題材に検討をしてきました。ここで
は、ありのままの自分に関する課題
や目標の発見、それに対する取り組
みにおける「自己指導能力」と「自
尊感情」との関わりについて述べて
きました。
人間は、個と集団とのかかわりを
避けることができません。集団の中
で自分を見つめた時、気になること
がでてきます。
また、自分らしさについても、現在
の自分は、私らしさを十分に発揮し
ている姿だろうか、どう発揮したら
よいのだろうか等、悩むことがあり
ます。
人間は、自分の能力や可能性及び自
分らしさを発揮した人生を送りたい
との願いを持っています。
この自己実現の欲求は、人間のみが
有している欲求といわれています。
「生徒指導提要令和4年版」(文部科学省)
に次のような文が述べられています。
◎ 特別活動における生徒指導
特別活動は「なすことによって学ぶ」
ことを方法原理とし、「集団や社会
の形成者としての見方・考え方を働
かせ、様々な集団活動に自主的、実
践的に取り組み、互いのよさや可能
性を発揮しながら集団や自己の生活
上の課題を解決する」ことを通して、
資質・能力を育む教育活動です。
特別活動において育成を目指す資質
・能力の視点は、以下の三つです。
①人間関係形成
集団の中で、人間関係を自主的、実
践的によりよいものへと形成すると
いう視点です。
②社会参画
よりよい学級・学校生活づくりなど、
集団や社会に参画し様々な問題を主
体的に 解決しようとするという視点
です。
③自己実現
集団の中で、現在及び将来の自己の
生活の課題を発見し、よりよく改善
しようとする視点です。
この中で、③自己実現に焦点を当て
ることにします。
「生徒指導提要」では、自己実現を
「集団の中で、現在及び将来の自己
の生活の課題を発見し、よりよく改
善しようとする視点」と捉えていま
す。
前掲書「教育用語辞典」(山崎他、ミネル
ヴァ書房、2008)では、自己実現を
「自己の能力や可能性、および自分
らしさを発揮し、それらを現実のも
のにしていくことを意味している」
と捉えています。
さらに、「マズローによると人間の
欲求には5段階(生理的欲求、安全
の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲
求、自己実現の欲求)があり、自己
実現の欲求は、下位の欲求が満たさ
れた後に出現する最高次の欲求であ
る」と解説しています。
言い換えると、自己実現の欲求は、
社会生活を営む上で重要な欲求で、
社会の中で自分の良さを生かして生
きていこうとする欲求といわれてい
ます。
したがって、学校での「社会の中
で自分の良さを生かして生きていく」
ための資質・能力の育成の素地教育
が重要になります。その中核を担う
特別活動の在り方が重要になります。
前掲書「生徒指導提要」では次のよ
うに述べています。
特別活動の指導は、児童生徒の自主
性や自発性を尊重しながら展開され
るものです。積極的な学習活動が展
開されていくためには、教員の深い
児童生徒理解、教員と児童生徒との
信頼関係を前提とした生徒指導の充
実が不可欠となります。
また、集団活動の指導に当たっては、
「いじめ」や「不登校」等の未然防
止等も踏まえ、児童生徒一人一人を
尊重し、児童生徒が互いのよさや可
能性を発揮し、生かし、伸ばし合う
など、よりよく成長し合えるような
集団活動として展開することが求め
られます。児童生徒が自由な意見交
換を行い、全員が等しく合意形成に
関わり、役割を分担して協力すると
いった活動を展開する中で、所属感
や連帯感、互いの心理的な結び付き
などが結果として自然に培われるよ
う働きかけます。
「自己実現」を可能にするためには、
自分はクラスの一員として受け入れ
られている、支持的な雰囲気が学級
に満ちている。安心して自分の思い
や意見が発表できる」等、マズロー
のいう安全・所属・承認の各欲求が
満たされていることが前提になって
います。
集団には、教師と子供、子供間に信
頼関係に結ばれた絆が必要になりま
す。
また、個人には、あるがままの自分
の姿を見つめ、前述した「自己の生
活の課題を発見し、改善しようとす
る視点」と、改善に向かっての自己
指導能力のフル活用が必要になりま
す。
謙虚で、真摯で、ブレることのない
取り組みの展開が期待されます。
他人と比較するなどせず、あるがま
まの自分の姿をみつめ、課題を発見
し、課題解決に取り組む。等身大の
自分、飾らない自分の姿のなかに健
全な自尊感情を発見し、自分らしさ
の発揮に向かうとき、「自己実現の
欲求」が具現化されるのではないで
しょうか。
「生徒指導提要令和4」(文部科学
省)では、自己指導能力について
次のように定義しています。
「自己指導能力」
児童生徒が、深い自己理解に基づき、
「何をしたいのか」、「何をするべき
か」、主体的に問題や課題を発見し、
自己の目標を選択・設定して、この
目標の達成のため、自発的、自律的、
かつ、他者の主体性を尊重しながら、
自らの行動を決断し、 実行する力、
すなわち、「自己指導能力」を獲得
することが目指されます
子供が、自分の姿や自分が抱えてい
る課題をあるがまま見つめ、受け止
めます。そして、自分が取り組む目
標や課題に対して、どのような行動
を取ることが最も適切であるか、検
討・選択・判断し、目標や課題解決
に向けて取り組みます。
取り組みに当たっては、自分の意思
に基づき、自分から進んで、自分の
行動をコントロールしながら、少々
の困難を乗り越え、目的達成に向け
て行動します。
この力を自己指導能力と捉えることが
できます。
自己指導能力の育成は、「与え」、「導
き」、「型にはめる」ことを指導の中
心に置いた教育の手法と正反対に位
置しています。
さらに、「生徒指導提要」では、自
己指導能力の形成を促すために次の
諸点を述べています。
◎学級・ホームルーム経営
(1) 自己存在感の感受
集団に個が埋没してしまう危険性が
あります。そうならないようにする
には、学校生活のあらゆる場面で、
「自分も一人の人間として大切に
されている」という自己存在感を、
児童生徒が実感することが大切です。
また、ありのままの自分を肯定的に
捉える自己肯定感や、 他者のために
役立った、認められたという自己有
用感を育むことも極めて重要です。
(2) 共感的な人間関係の育成
学級・ホームルーム経営の焦点は、
認め合い・励まし合い・支え合え
る学習集団にどのように変えていく
のかということに置かれます。失敗
を恐れない、間違いやできないこと
を笑わない、むしろ、なぜそう思っ
たのか、どうすればできるようにな
るのかを皆で考える支持的で創造的
な学級・ホームルームづくりが生徒
指導の土台となります。
そのためには、自他の個性を尊重
し、相手の立場に立って考え、行動
できる相互扶助的で共感的な人間関
係をいかに早期に創りあげるかが重
要となります。
(3) 自己決定の場の提供
児童生徒が自己指導能力を獲得する
には、授業場面で自らの意見を述べ
る、観察・実験・調べ学習等を通じ
て自己の仮説を検証してレポートす
る等、自ら考え、選択し、決定する、
あるいは発表する、制作する等の体
験が何より重要です。
生徒指導は、教育課程のすべての領
域において行われます。時には、教
育課程内にとどまらず、放課後に行
われる補充指導等でも機能していま
す。
そこで、生徒指導の3つの機能(自
己決定、自己存在感、共感的人間関
係)を生かした授業づくりが求めら
れています。
授業の中で、子供に自己決定を促し、
自己存在感を与え、学び合いなどを
通して共感的な人間関係を育み、自
己指導能力を育成することが重要に
なります。
◎用語の説明
〇自己決定とは、「自分で選択した
り、決定したりして実行する」こ
とです。
〇自己存在感とは、「自分は価値あ
る存在であることを実感する」こ
とです。
〇共感的人間関係とは、「ありのま
まに自分を表現し、理解し合え
る人間関係」です
前回は、自己の姿を「あるがままに
見る」ことの大切さについて述べま
した。
この自己受容によって、自分らしさ
を知ることができ、また、友達との
関係においても互いの存在を受容し
合うことができるのではないかとも
述べました。
あるがままの自己を見つめ、自己
の特徴を自覚し、それを自己存在感、
自己肯定感や自己有用感及び、「健
全な自尊感情」に結びつけようとす
るものです。
「あるがままの自分を見つめなさい」
といいます。
この世のなかで、「自分の一番身近に
あって、一番分らないものは自分だ」
とよく言われることがあります。
自分を見つめ、知ることの難しさを
語っています。
そこで、子供に「自己の現実の姿を
正確に観察する目」をどのように養
うかが課題になりなります。
子供は、子供らしく、素直に、自分
と向き合えばよいのかもしれません。
例えば、人とのかかわりにおいて、
友達と話し、行動している自分を自
分が第3者の立場で観察することが
考えられます。
高次の立場からの観察になります
が、振り返りを大事にしながら、少
しずつ身につけていくことが期待さ
れます。
そして、自己受容をもとに、あり
たい自分、成りたい自分を模索し、
その具現化を目指し、自分なりに取
り組んでいくことが重要になります。
学校で、どのような場面が想定でき
るのでしょうか。次の「生徒指導提
要(令和4年版)」の「自己指導能力」
が参考になります。
「自己指導能力」
児童生徒は、学校生活における多様
な他者との関わり合いや学び合いの
経験を通して、学ぶこと、生きるこ
と、働くことなどの価値や課題を見
いだしていきます。その過程におい
て、自らの生き方や人生の目標が徐
々に明確になります。主体的な選択
・決定を促す自己指導能力が重要で
す。
これは、子供の成長過程に対応させ
るとより鮮明になります。
子供たちは、他者とのかかわりや
学び合いを通して、学ぶこと、生き
ること、働くことの価値を見出しま
す。そして、その価値に触発され、
自分自身の目指す生き方や目標を発
見します。次に、その生き方や目標
を具現化できるよう、選択し、決定
し、実行へと、自分自身を仕向けて
いきます。
自己選択・自己決定・実践のサイク
ルにおいて、自分で自分を指導して
いること、これが自己指導力です。
自己指導能力には、メタ認知におけ
る、モニタリングとコントロールを
欠かすことができません。
(注:メタ認知について、拙ブログ201
6.3.13の記事を参照ください)
自己指導能力を発揮させる源は、
「学ぶこと、生きること、働くこと
の価値や課題」にありました。
その課題や価値を具現化するために、
自分のできることは何か、どのよう
に取り組めばよいか、あるがままの
自分を表出し、課題に向き合えばよ
いのだと考えます。
価値や課題との向き合いはあるが、
他人との比較がないことがこの取り
組みの特徴と考えることができます。
自己指導能力形成の過程において、
自己の良さの発見や自己を肯定的に
捉えること等、自尊感情の形成が期
待できます。
前回103の続きです。
ここでいう、「健全な自尊感情」は、
②の「自己尊重が適度に高い」と
同義語として捉えることができま
す。行き過ぎの自尊感情は、自己中
心的な行動パターンや自信過剰で言
行不一致な状態を生み出します。
プライドが高すぎる友達とお付き合
いするのに疲れてしまうこともあり
ます。
「健全な自尊感情」を身につけるた
めには、②の指摘にある「成功・失
敗の経験や賞賛・叱責」等の経験を
通して、自己の現実の姿を正確に見
つめ、自分の優れているところ、不
足しているところを自覚する必要が
あります。
幼稚園や保育園では、ブロック博士
やお遊戯博士等、様々な博士が沢山
いました。
子供たちも、他と比べることなくあ
るがままの自分を受け入れていまし
た。それと同時に、友達の姿をある
がままに見て、受け入れていました。
この子供たちが、年長になり、小
学校に入学するころになると、ある
がままで捉えていた姿に価値づける
ようになってきます。
価値づけの基準は、「できる、で
きない」、「持っている、持っていな
い」等、外的要因による比較によっ
て生み出されます。
「早く、上手に、誰よりも」等の文
言を伴いながら、相対評価が、子供
の世界にも、子供と保護者の間にも
入ってきます。
その結果、「できることはいいこと、
できなければダメ」という風潮がで
きあがってきます。
この風潮は、子供世界だけの問題で
はありません。生産性や費用対効果
を追い求める、大人世界そのもの姿
を現しています。この大人世界の価
値観が、知らず知らずのうちに、子
供世界に入り込んできたと捉えるこ
とができます。
時には、教師が、無意識のうちに持
ち込むこともあります。
他人との比較による「できることは
いいこと、できなければダメ」の価
値観は、学校のいたるところで見ら
れます。
九九の暗記にもあるでしょう、鉄棒
の逆上がりにもあります。また、授
業の始めのチャイム着席にもありま
す。
いずれも、「早く、上手に、誰より
も」できない子は、ダメのレッテル
を無意識のうちに貼られる危険性を
孕んでいます。
ここで、設問にある「健全な自尊
感情」を生み出すためには、誰々よ
り 「できる、できない」、「持って
いる、持っていない」等、外的要因
による比較によらない基準が必要に
なります。
基準作りの1つとして、自己受容
が鍵になります。
自己受容とは、「自己の現実の姿に
ついて、正確に観察を行い、自己の
特徴の価値判断を含めず十分自覚す
る」ことです。
(「教育用語辞典」(山崎他、ミネルヴァ書
房、2008)
ここで注目することは「自己の特徴
の価値判断を含めず」という文言で
す。
特に、自己の特徴の価値判断は、他
者と自分の比較によって行われるこ
とを防ぐ必要があります。
大事なことは、優劣を伴った判断や
自分の価値の評価ではなく、自分の
特性、心的傾向等、自己の内面も含
め、自己の良さを総合的に捉え、自
己を価値づけることが大切と捉えま
す。あるがままの自分を素直に捉え
ようとすることがポイントになりま
す。
他人との比較による価値によらな
ければ、集団が異なっても自分の良
さは、失われることがありません。
したがって、劣等感を味わうことも
ないと考えます。また、「自分をあ
るがままに見ようとする、客観的態
度が形成されることによって、他者
をあるがままに見るという態度が形
成される。」(前掲書)ことが期待で
きます。
「あるがままに見る」ということ
は、自分にとっても友達にとって
も、互いの存在を受容することに
つながります。また、自己受容によ
って、自分らしさを知り、それを自
己存在感、ありのままの自分を肯定
的に捉える自己肯定感や、他者のた
めに役立った、認められたという自
己有用感を育み、ひいては、「健全
な自尊感情」の育成に繋がると考
えられます。
本日より下記の東京都教員採用問題
を題材に、「健全な自尊感情を高め
ること」について検討していきます。
なお、拙ブログでは、過去にも同じ
主題で論作文に対応できるように取
り組んでおります。
(注:「テーマ」から「テーマ別記
事一覧」に進み、「自己肯定感と自
信」を参照ください)
2008年度東京都教員採用選考問題
◎今,学校教育には,児童生徒に,
学習や生活などに前向きに取り
組む力のもととなる,健全な自
尊感情を高めることが求められ
ています。
自尊感情とは何か。言葉の意味を
整理します。
①「教職用語辞典」(原聡介、一芸
社、2010)では、次のように
述べています。
自分が価値ある、尊敬されるべき、
優れた人間であるという感情。
②「教育心理学小辞典」(三宅他、有
斐閣、1991)
自己についての価値評価に関するも
のであり、自分自身を価値ある優れ
た存在とみなす態度、あるいはその
態度に伴う感情を意味する。
自己尊重は、日常生活の中での成功
・失敗の経験や、両親、教師といっ
た周囲の人々からの賞賛・叱責など
を通して形成される。自己尊重の程
度は、個人の意識や行動に影響を与
える。
自己尊重が適度に高い者は、自己
に対する信頼感、満足度が高く、周
囲に対して積極的、主張的、開放的
態度をとる。
上記、参考文献①,②において、
共通する文言は「自分が価値ある存
在であるかどうか」という、自己評
価を前提にしています。そこでは、
自他の異同の認識とともに、特に、
他者と異なる自己を意識する必要が
あります。
さらに、他者と異なる自分(身体的
特徴、性格、能力)が、他の人から
受け入れられるか否かが自己認識に
とって重要な要素になります。
他人の目を意識しながらの自己評価
ですが、ある人は、自分自身の中に
価値を発見し、自分は優れた人間で
あり、周りから尊敬されるべき資質
を有していると自己認識することに
なります。
そして、②の指摘にあるように「自
己に対する信頼感、満足度が高く、
周囲に対して積極的、主張的、開放
的態度」をとり、学習や生活など、
物事に自信ある態度で積極的取り組
むことができます。
他方、ある人は自己評価の結果、
自分の特性として優れているところ
は認められない、むしろ、他人より
劣っていると認識する場合がありま
す。この場合、いわゆる劣等感が生
じてきます。
この評価の厄介なところは、「他
人の目を意識しながら、自分が自分
を評価する」ところにあり、評価基
準は、折々の自分の周囲の人と自分
との比較によって生み出されるとこ
ろにあります。
その結果、ある集団で優れた才能
を発揮し、自他ともに優れていると
評価されている(又は、している)
人が、別の集団に所属した場合、自
分より優れた人がおり、その才能は
目立たなくなってしまうことがあり
ます。結果、劣等感に打ちひしがれ、
意欲さえを失ってしまうケースにで
あうことがあります。
以上のことを前提に、今回取り上げ
た2008年度の採用選考問題「児
童生徒に,学習や生活などに前向き
に取り組む力のもととなる,健全な
自尊感情」をどのように子供に身に
つけさせるか考えていくことにしま
す。
前回ブログⅡ102で、参考や引
用した文献を紹介します。
授業の中で子供の思考を促すため
「思考の方法」と「思考のことば」
を連動させた研究事例を紹介しまし
た。これは、「社会の変化に対応する資
質や能力を育成する教育課程編成の基本原
理」(国立教育政策研究所、2013)
に収録されている「新潟大学教育学部付属
新潟小学校研究紀要」(2012)を参考
にし、一部引用したものです。
授業での発問の大切さは、過去から
様々な場面で指摘されています。
例えば、現役のころ、誰かの講演会
に出席したのでしょう。算数・数学
指導における「問題把握」場面での
教師の発問例が、次のように記録さ
れたメモが残っていました。
問題把握1数学的な態度を引き出す発問
• どんなことが分かりますか。
また使えますか(問題の明確化)
• 求めたいことは何ですか。
(問題の明確化)
• 不思議と思うことがあります
か。(疑問の目)
問題把握2方法に関わる考え方を引き
出す発問
• 今までの学習と何が同じですか。
共通なことは何ですか。(抽象化)
• 言葉の意味を自分の言葉で言ってみ
ましょう。(抽象化)
• どんな条件が大切ですか。(抽象化)
• 図を使って表してみましょう。
(単純化)
• 条件を簡単にしましょう。(単純化)
• 例えばどんなことか、具体例を考え
てみましょう。(具体化)
問題把握3内容に関わる考え方を引
き出す発間
• どんなことを決めればよいですか。
(関数的)
• 必要のないことは何ですか。
(関数的)
以降、解決の実行場面、解決の検討
場面 、振り返りの場面での教師の
発問例が続きます。
上記「発問」はいずれも、教師が子
供の数学的な活動や思考を促し、深
めるための発問例です。
これに対し、「思考の方法」と「思
考のことば」を連動させた発問は、
教師の子供に対する発問にとどまら
ず、子供が子供に対する発問にもな
っています。発問の場や対象が拡張
されたと捉えることができます。
そして、子供が子供に問うことによ
って、問う子供も問われる子供も思
考に広がりと深みが出てくると考え
られます。
「学びを問いつづけて」(佐伯胖、小学館、
2009)は、「発問」をより一般化
させています。
子供たちが取り組んでいる「探
究活動」で、「問題発見」の指導に
苦労しているとよく聞きます。
問題発見や問題設定は、大人でも容
易ではありません。問題として取り
上げる内容は沢山あるのに、焦点化
ができず、研究テーマの設定に悩ん
だことを思い出します。
学校では、正答を求める訓練はしま
す。それに比べ問題を設定する訓練
の少なさが気になります。
佐伯氏の提言するように「問う学
び」を意識的に構築する必要がある
のかもしれません。
佐伯氏は、「問う学び」について、
次のように述べています。
〇問いづくりを目指した授業を進め
ていくことによって、「発問」は、
学ぶが側からの発問になる。
〇問う力をつけることが、本当の学
力である。
〇答えることではなく、問うことを
教える教育を根本にすえる。
〇教師の発問は「考えるヒントを
与えるもの」。子供は当初「導か
れて」 思考するが、しだいに自
ら問いを 発し、自ら答えを探し
ていくという自立的な探究活動
になる。
「教師の発問が刺激となって子供の
探究が始まる発問こそが真の発問で
ある」との前提に立ち、「いかなる
時にいかに問うか」ということで次
の発問の例が示されています。
1観点を変えるための発問
立場を変えて、機能や目的を問
う、視点を定めさせる
2別の仮定を導入する発問
「もしこの条件がなかったらどう
なる?」「仮に、このような条件
が付け加わったらどうなる?」
3例を考えさせる発問
「例えば、どのような例があるか」
4例を与えて考えさせる発問
「このような場合、どうなるか」
5単純化して考えさせる発問
大きな数値を小さな数値に置き換
えたり簡単なモデルに置き換えた
りする。
6矛盾を指摘する発問
子供の考えや常識の矛盾に気づか
せる
7本当にそうか」と問う発問
今まで疑ったことのないことに疑
問を持たせる。
8少しずつ条件を変え極限値まで変
化させる発問
◎「質問することを恥とする通念を
捨て、質問しないことを恥とする社
会に変えるような努力を学校教育の
なかで試みる必要がある」に同感し
ています。
前回は、受容的で支持的な学級風土
のなかで「人間関係を築く力」を身
に付けさせていきたいと述べました。
この学級づくりは、日々の授業にお
いてなされます。特に、子供の誤答
を大事にします。誤答を見捨てず、
誤答の中に多様な考え方や方法が埋
もれていると捉え、授業で生かしな
がら学びます。その過程において、
どの子供も学級にとって大事な一員
であること、貴重なアイディアを提
供するメンバーであることを体験的
に理解させることをねらいとしてい
ます。
同様なことを学習指導要領解説、特
別活動編では、「人間関係形成に必
要な資質・能力は,集団の中におい
て,課題の発見から実践,振り返り
など特別活動の学習過程全体を通し
て,個人と個人あるいは個人と集団
という関係性の中で育まれる」と述
べています。
子供たちは、授業において、課題の
発見から、自己解決、相互解決等の
各学習過程において、話し合いや教
え合いなど、多様な活動形態をとり
ながら、子供同士は学び合い、関わ
り合っています。
本ブログでは、とかくすると忘れ去
れそうになる「子供の誤答」に脚光
を当てています。その理由は、多様
な発想による学びの大切さを理解さ
せること、そして、人間関係づくり
では、一人一人を大切にすることの
意味を体験的に理解させようと考え
たからです。
では、実際の授業でどのようなこと
に留意したらよいのでしょうか、考
えていきましょう。
前回のブログ②101で次のことを
述べました。ここにヒントがありま
す。
答を導き出すためには、問題の前提
条件である「ことば」を中心とした
キー概念(キーワード)をどのよう
に捉えたのか、捉えられなかったか
が重要な要素を占めます。この吟味
の場面が特に重要で、他者理解にも
つながってきます。
さらに、誤答者の思考過程や解決手
段のどこまでが同じで、どこから異
なるか、異なる方法が生じた理由は
どこにあるか、どこを修正すれば自
分と同じになるか等を考え、クラス
で意見を出し合い、協働で問題の解
決に向け取り組みます。
この時、重視することは、解決策
としての正誤ではありません。なぜ
そのようになったのか、なぜそのよ
うに考えたのか等、思考の過程を互
いに共有することが大事になります。
授業の中で、個人と個人あるいは個
人と集団という関係性を深めるため
に、言語を手掛かりにしながら、
「思考への誘い」を誘発することが
重要と考えます。
ここでいう「思考への誘い」を誘発
する言葉に2つの役割があります。
1つは、協働学習等において例えば、
問題解決学習でグループ活動を円
滑に行うために、問題に出てくる
言葉の意味を明らかにし、メン
バーが共有し、共通の基盤にたっ
て議論できるようになっているこ
とです。
2つ目は、「思考の方法」を共有す
るためには、「思考のことば」を
共有していることが大切です。
「思考の方法」と「思考のことば」
を連動させることによって、メン
バーの考えを誘発し、焦点化する
ことができます。このためには、
スキルとして学級に浸透させる必
要があります。
誤答を修正するまたは、修正し合
う授業は、子供により高度な学習内
容を提供します。
そこでは、誤答者の思考や立場に立
って考えなければならないからです。
このことによって、誤答者以外の子
供たち自身の発想を広げ、解決当初
の思考や手続きを転換させる気づき
にもなってきます。
いくつか例を考えてみたいと思いま
す。
①、誤答を授業の場に取り上げ、話
し合いの素材にするためには、前
述したように「問題の構造を知る」
必要があります。問題の構造は課
題分析によって明らかになります。
これが、上記「問題の前提条件で
ある「ことば」を中心としたキー
概念(キーワード)をどのように
捉えた」に当たります。
特に、誤答者の立場に立って、どの
ように問題をとらえたか、議論する
ことが大切になります。
そのためには、「思考の方法」とし
て、自分と誤答者との問題の捉え方
についての「比較」が必要になりま
す。
ア、課題のキーワードを自分は、
〇〇と捉え、相手(誤答者)は
△△と捉えた
イ、「比較すると、違いとして~が
分かる。」(思考のことば)
「これが、以降の解法の違いのも
とになっていると考える」とい
うように,比較(思考の方法)
とイの「思考のことば」を連動
させることによって考えるヒン
トが生み出されます。
②、着想を転換させるために、「視
点(観点)を変える」(「思考の
方法」)ことを促す必要が出てき
ます。この時、「思考のことば」
を連動させると、「もし~の観点
(視点・角度・理論・立場)から
みたら、~になるのではないだ
ろうか」ということになります。
誤答者及び他の子供の発想を膨
らませることになります。
③、話し合い活動で大事なことは、
相手と自分の意見の同じところ
はどこか、異なるところはどこ
か、どこを修正すると同じにな
るかを考えさせることです。
このためには、上記で述べたよ
うに、「誤答者の思考過程や解決手
段のどこを修正すれば自分と同じ
になるか等を考え、協働で問題の
解決」に向け取り組むための「思
考の方法」と」思考のことば」の
連動が重要になります。
具体的には、日ごろから「誤答
者の〇〇と自分の△△とはどのよ
うに関係しているのか」、又は
「〇〇と△△との良いところを合
わせると、□□がでてくる」とい
うように、誤答を活かす習慣を身
につけさせることが大事になりま
す。
2007年度
学校には、児童・生徒に豊かな人間関
係を築く力を身に付けさせる教育の充実
が求められており、そのためには教師の
実践的な指導力が重要です
上記設問のキーワードである「人間
関係を築く力を身に付けさせる」に
着目する必要があります。
「身につけさせる」ためには、前回
のブログでも述べたように、教師の
意図的、計画的営みが必要になりま
す。そこでは、子供の実態を踏まえ
た指導の狙い、場面、方策、手段の
具体化が求められます。
「令和の日本型学校教育」の構築を
目指して」(令和3年、 中央教育審
議会答申)では、今後の教育におい
て、「個別最適な学びと, 協働的な
学びの実現」を次のように提唱して
います。
授業の中で「個別最適な学び」の成
果を「協働的な学び」に生かし,更
にその成果を「個別最適な学び」に
還元 するなど,「個別最適な学び」
と「協働的な学び」を一体的に充実
し,「主体的・対話的 で深い学び」
の実現に向けた授業改善につなげて
いくことが必要である。
この中で、「協働的な学び」が成
果を上げるためには、今回取り上げ
ている「豊かな人間関係」が、必須
の条件になります。
実際的な授業場面で「協働的な学び」
は、「協働的問題解決学習」といい
かえることができます。自分たちが
発見した問題の解決に向けて、相互
に意見を出し合い、情報を収集し価
値づけ、選択しながら話し合いなが
ら思考を練り上げ、解決に至る学習
が想定されます。
まさに、学び合う学習への転換が強
調されています
〇豊かな人間関係に支えられた学級
の具現化に向けて。
まず、協働的な学習が円滑に行わ
れる学級づくりに取り組む必要があ
ります。具体的な学級の姿として、
「間違った答えを安心して発表でき
る学級」が考えられます。言い換え
ると、「誤答を嘲笑しない学級」と
もいえます。
「誤答を嘲笑しない学級」では、間
違ったことを答えても友達は自分を
受け止め、認めてくれるという安心
感が子供の中にあります。そして、
誤答を受けとめられる受容的な雰囲
気が教室にあり、支持的な学級風土
が子供に行きわたっている学級です。
※学級担任の時、私は、「教室はまちがう
ところだ」(まきたしんじ)の詩を教室に
提示し、安心して自分の意見がいえる雰
囲気づくりに努めました。
拙ブログ2017.6.8に詩を載せて
います。
〇受容的で支持的な学級づくりのた
めに
「間違った答えを安心して発表でき
る学級」において、特段、誤答を推
奨しているわけではありません。
ただ、誤答には、出合いによって初
めて気づかされたり、教えられりす
る大事なものが、背景に隠されてい
ることがあります。それを発見し、
クラスで共有していく学級をつくろ
うとするねらいをもっています。
このため、例えば、問題解決では、
多様なものの見方、考え方、処理の
仕方があることを体験的に理解させ
ることが必要です。正解に至る道は
1つではないということの理解をク
ラスに浸透させることが大切になっ
てきます。このことによって、誤答
は、自分や相手の考えを広め深めた
り新しいことを発見したりできるよ
い教材であることに気づくことがで
きます。
誤答に出合ったとき、対処の例を
考えてみます。
答を導き出すためには、問題の前提
条件である「ことば」を中心とした
キー概念(キーワード)をどのよう
に捉えたのか、捉えられなかったか
が重要な要素を占めます。この吟味
の場面が特に重要で、他者理解にも
つながってきます。
さらに、誤答者の思考過程や解決手
段のどこまでが同じで、どこから異
なるか、異なる方法が生じた理由は
どこにあるか、どこを修正すれば自
分と同じになるか等を考え、クラス
で意見を出し合い、協働で問題の解
決に向け取り組みます。
学習過程においては、互いに相手
をリスペクトしながら、共感し合い、
啓発し合いながら学習に取り組むこ
とが大事であると言われます。
そして、その過程において、個と個
が結ばれ、学習コミュニティが形成
されるともいわれています。
本日は、今まで誤答として議論の対
象外でおかれがちであったものに着
目しました。誤答を授業の舞台にの
せる、これを日常化することによっ
て、それぞれの子供が対等で、かけ
がえのない存在であることを実感す
るのではないでしょうか。受容的で
支持的な学級のなかで、「豊かな人
間関係」が形成されると考えます。
〇前回の続きです。
前回のブログ内容をまとめると、次
のようになります。
「豊かな人間関係を築く力を身に付
けさせる」ための指導は、ある種の
スキルを指導することによって達成
できるというものではありません。
なぜなら、人と人との関わり合いに
は、当事者の性格、気質や人間性や
今までの人間関係に関する体験や経
験が関係しているからです。また、
出会いや活動の場も重要な要素にな
ります。
次に、2007年頃、「豊かな人間
関係を築く力を身に付けさせる」に
関連する教育課題の1つとして「生
きる力」の育成がありました。
その内容を紹介しました。
A.「生きる力」を育む要素
①自己に関すること:
自己理解(自己尊重、自己肯定)、
自己責任(自律、自制)
②自己と他者に関すること:
異質なものへの寛容、他人を思い
やる心、協調性、人間関係形成
③自己と自然に関すること:
生命尊重、自然、環境理解
④個人と社会に関すること:
責任、権利、社会的・文化的理解、
言語情報活用、技術活用、
問題解決
※参考文献:「生きる力」を育む重要
な要素(2007年、教育課程審
議のまとめ)
B.過去のブログ記事から
上記②の人間関係形成に関連する
内容として、2017.6.12の拙
ブログ「人間関係を形成する能力」
で、次のことを取り上げています。
人間関係を形成する能力とは、他者
の多様な感情や考え及び立場を理解
し、傾聴しながら自分の考えを正確
に伝える等、様々な人とコミュニケ
ーションを図り、協力協働して物事
に取り組む関係を構築する力である
と捉える。
※参考文献:「児童生徒の職業観・勤労観を
育む教育の推進について」(国立教育政策研
究所、H14)
Bの定義では、「人間関係形成能力」
を「自他の理解能力」と「コミュ
ニケーション能力」から捉えてい
ます。これをAと関連付けてみま
す。
②の人間関係形成、即ち「自己と他
者に関すること」は、「①自己に関
すること」、「④個人と社会に関する
こと」とも密接な関係で結びついて
おり、相互補完の関係にあります。
ところが、ここに厄介な問題が横た
わっています。
その1つが、自己理解と他者理解に
よる人間関係づくりです。
私たちは、人間関係を作り上げてい
く過程で、相手と言葉、表情等、言
動を通し感情や気持ちを交換しなが
ら、相手を観察し、人物評価します。
この時、相手を評価するだけでなく、
「自分のことを相手は、どのように
捉えているのか」気になります。そ
こで、相手のしぐさや言葉の端々か
ら相手の心情を読み解くことを始め
ます。
この時、①自己理解(自己尊重、自
己肯定)が、苦手な子供は、相手の
反応をマイナス思考で捉えてしまう
傾向があります。特に、自分に自信
のない子供が陥りやすいケースとし
て、相手とのコミュニケーションが
スムーズにいかない場合、原因を自
分のせいにしてしまいます。
例えば、自分の態度や返事の仕方の
せいではないか等、マイナスの視点
から自分や物事をとらえます。
その結果、自己肯定感の低下が、豊
かな人間関係の構築を難しくしてし
まいます。
また、人間関係を構築するためには、
相互に自己を開く必要があります。
時には、自分の弱さや苦手さを伝え
ることも出てきます。この時、自尊
感情や自己肯定感が低く、自分に自
信の持てない場合、自分を開くこと
に抵抗を覚え、人間関係形成に憶病
になってしまいます。
これ以外に、上記ブログでは次のケ
ースも取り上げています。参考にな
ればと思い、掲載することにしまし
た。
〇・現状と課題
①子供たちは気の合う限られた集団
の中でのみコミュニケーションを
とる傾向が見られる。興味や関心、
世代の違いを超えてコミュニケー
ションをとることを苦手と感じ、
相互に理解する能力が低下してい
るとの指摘もある。
②コミュニケーションをとっている
つもりが、実際は相手の話を聞か
ずに自分の思いを一方的に伝えて
いるにすぎない場合、または同意
や反対の意思を伝えるだけで対話
になっていない場合が多いなどの
指摘もある。
③小・中学校において、児童生徒が
不登校となったきっかけの一つに
友人関係をめぐる問題(いじめを
含む)がある。
④友達や仲間のことで悩みや心配事
があると答えた中学生が増加して
いる。良好な人間関係の形成やコ
ミュニケーションに課題があると
考えられる。
⑤パソコンや携帯電話などが広く子
どもたちにも普及し、コミュニケ
ーションの手段として活用される
一方で、インターネット上での誹
謗中傷やいじめなどの新たな問題
も発生している。
(コミュニケーション教育推進会議審議経過
報告H23)
2007年度
学校には、児童・生徒に豊かな人
間関係を築く力を身に付けさせる教
育の充実が求められており、そのた
めには教師の実践的な指導力が重要
です。
「豊かな人間関係を築く」は、子供
にとっても、大人にとっても人生を
左右しかねない大きな課題です。
豊かな人間関係によって、周囲か
ら励まされ、悲しみや苦しみを癒さ
れたり、適切なアドバイスによって、
悩みから立ち直ったりすることがで
きます。
他方、豊かな人間関係を構築できな
いばかりに、友達との間でトラブル
になったりします。また、学級や職
場で、人間関係が原因でいじめ問題
になり、悩み退職を余儀なくされた
人もいます。
子供にとっても、大人にとっても豊
かな人間関係の構築は、大きなプラ
スの財産にもなり、マイナスの財産
にもなっています。まさに、どのよ
うな人間関係を築くかは、その人の
人生を左右するほど大きな課題にな
っています。
取り上げた2007年度の採用試
験問題は「豊かな人間関係を築く力
を身に付けさせる」ために教師とし
てどのように指導するかが主たる
テーマになっています。
しかし、このテーマは、教科指導
と異なり、指導したから「豊かな人
間関係」を構築することができるよ
うになるということにはなりません。
人と人とが関わり合えるためには、
その人なりの性格、気質等人間性や
今までの人間関係に関する体験や経
験が左右します。また、出会いや活
動の場も人間関係構築のための重要
な要素になっています。したがって、
他の人と豊かな人間関係を構築する
には、指導されたある種のスキルに
従って行動すれば達成できるという
ものではありません。
また、学校において「豊かな人間関
係を築く力を身に付けさせる」ため
には、教師と子どもの両面から捉え
ることが大切です。教師の側では、
教師の意図的、計画的な実践的指導
力が必要であり、子供の側からは、
子供自らによる「人間関係を築く」
行為、すなわち、人間関係に関する
自己形成力が必要になります。それ
らを促し、支えるのは、教師の重要
な役割です。
時代は少し遡ります。2007年頃、
「豊かな人間関係を築く力を身に付
けさせる」に関連する教育課題の1
つとして「生きる力」の育成があり
ました。
1.「生きる力の育成」は、社会の
変化への主体的な対応力の育成をね
らいとしていました。それを可能と
する学習課題を学校に取り入れまし
た。具体的には「総合的な学習の時
間」が創設されました。
〇「生きる力」を育む要素
①自己に関すること:
自己理解 (自己尊重、自己肯定)、
自己責任(自律、自制)
②自己と他者に関すること:
異質なものへの寛容、他人を思いや
る心、協調性、 人間関係形成
③自己と自然に関すること:
生命尊重、自然、環境理解
④個人と社会に関すること:
責任、権利、社会的・文化的理解、
言語情報活用、技術活用、問題解決
※参考文献:「生きる力」を育む重要な要素
(2007年、教育課程審議のまとめ)
2.過去のブログ記事
1②の人間関係形成に関連する内
容として、2017.6.12の拙
ブログ「人間関係を形成する能
力」では、次のことを取り上げてい
ます。
〇教育的価値(定義・必要性・効果)
人間関係を形成する能力とは、他者
の多様な感情や考え及び立場を理解
し、傾聴しながら自分の考えを正確
に伝える等、様々な人とコミュニケ
ーションを図り、協力協働して物事
に取り組む関係を構築する力である
と捉える。
※参考文献:「児童生徒の職業観・勤労
観を育む教育の推進について」(国立教育
政策研究所、H14)
〇次に続きます

