憲政の神様といわれた尾崎行雄は、その前半生をかけて政党政治をつくりあげようと志しました。憲政党や政友会で中心的人物として活躍し、藩閥と戦い、大臣も経験しました。

しかし、「日本の政党は徒党だからダメだ。親分子分の関係になってしまう。これは政党ではない」と言い残して政党から離れ、無所属議員となり、国民教育に後半生を捧げました。

このことは以前、記事にしました。

 


尾崎行雄は、百年前、すでに日本の政党は徒党に過ぎないと喝破していたわけですが、日本には未だに政党らしい政党がありません。徒党です。自民党から共産党、社民党まで徒党です。近代徒党です。

 

政党には政策や政治理念があります。それに共感する者が集まります。

しかし、徒党のいうのは、親分と子分が金と利権でつながっているだけです。そこに政策はありません。つまり、権力構造だけがあって、政策が空っぽです。

だからこそ、アメリカから「ああしろこうしろ」と言われると、「そうですね」と唯々諾々と従ってしまうのでしょう。自民党は徹頭徹尾アメリカの良いなりの徒党政治を延々と続けてきています。

逆に、アメリカから見れば、日本の政党が徒党であってくれる方が都合が良いわけです。政策的に空っぽですから、そこへ、日米合同委員会を通じて政策を押しつければ、簡単に操作できるわけです。

有権者の立場から見れば、どれもこれも徒党ですから選びようがありません。政策論がないからです。徒党には政策などありません。どの徒党が良いかと問われても、全部いやだと言うしかありません。山口組も稲川会もいやに決まっています。だから、選挙の投票率があがるはずがありません。

日本の政党は戦前も戦後も近代徒党です。これでは政治がダメになるのは当然です。戦前の政党も英米の干渉をうけつづけ、失政を繰り返したあげくに国民の支持を失い、政党解消論が盛んになるなかで自滅し、大政翼賛会となりました。これは戦前の政党が徒党だった証明です。

そして、戦後の政党もやはり徒党に過ぎません。親分が金を集め、子分に配る。それだけです。政策は何もないのでアメリカの言いなりになっている。実に情けない実態です。

いったい、いつになったら日本に政党らしい政党ができるのでしょう。