本の評価 ・特A(人にプレゼントしたいくらい面白い)・A(かなり面白い)・B(面白い)・C(普通)・D(暇潰し程度)・E(時間を返せ❗️) 


 「B」

1999年出版(単行本は1998年刊行)


完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。(データベース引用)


ミステリー攻略本というか

ミステリー暴露本というか

今まで読んだ事のないタイプの短編集


ここまで書いていいの?と思われ

他作家の作風をディスったとしか思えないような

内容ありで 

かなり攻めた作品


一部抜粋

 

・この島に伝わる子守唄(童謡)どうりに殺人が行われる


・密室はトリックの王様だ

 

・いつもいつも大雪で山荘が孤立したり、嵐で孤島の別荘が孤立したりするのでは読者の皆さんも飽きてくる


・ダイイングメッセージ

不自然になるのも当然ですよね。もうすぐ死んじゃうっていう人間にメッセージを書き残してる余裕があるはずがない


・2時間ドラマだと大抵の場合、主人公は女性に変えられる視聴者の大半が主婦だからさ、そうしないと視聴率を稼げないんだって。十津川警部だとか浅見光彦は例外なわけ


・よくこういうシーンがあるが、考えてみれば思い切り奇妙である。あの警官たちは何故に素人探偵が犯人相手に謎解きをしているのを、わざわざ隠れて聞いているのだろうか。


・最初はここ、車に轢かれて死ぬことになってたんだよね。でもそれはマズいってことで書き替えられたんだって。この2時間ドラマのスポンサーが自動車メーカーだった…


・ここまで人数を必要ではないが読者をミスリードするための材料なのだ

 

・犯人はこの中の一人で、その者に罪を認めさせればいいだけだから他の者は不要である。とはいえ、これがないと物足りないとおっしゃる読者もすぬなくない


・探偵の見せ場は仕組まれたトリックを次々に解いていく、ただこの時点で謎解きのコツは真犯人の名前はまだ伏せておくという点だ。読者を出来るだけじらせるわけだ。 


・推理作家が手っ取り早くシリーズキャラクターを作りたい時の常套手段ですな。友人が警官、家族が刑事、あるいは恋人や配偶者が捜査一課の警部といったところ


・本格推理の舞台には、やや場違いだったからね。女子大生や女子高生を探偵に据え、軽い推理小説に仕上げて女性読者を獲得しようというのは少し前に流行った手法だよ


・刑事の恋人とか何とかいって素人娘が捜査にしゃしゃり出てくるパターン。日本のミステリの足を引っ張っているという点では罪がおもいんじゃないですか



これエッセイでもコラムでもなく

小説の中での台詞である(笑)


攻めすぎだ