【3】月【21】日は弘法大師様空海様が【ご入定】された日です。


(この記事は2015年の4月に記載し、2016年の4月に加筆し今回加筆します)


お四国お遍路巡りがブームとやらで、2014年のご開創1200年 の年は例年以上に沢山の方が訪れたようです。

開運のために、とか良縁を得るために、とか欲望丸出しで回られる方も多数と訊きます。
回っている間にそういう現世利益を求める気持ちが失せた、という話も聞いたりします。

(武漢コロナ禍以降、お遍路さんも激減とのことですが、規制も解除されお遍路さんする人も増えるでしょうね)





今回は『逆打ち』について記したいと思います。



まあ、Wikipedia等で載っているように、衛門三郎さんのなされた「言い伝え」とやらで大体合ってますのでここでの説明は省きます。



物事には何事にも「基本」がございます。
スポーツしかり、学問しかりです。
宗教の世界、真言密教の世界にも基本がございます。

「般若心経」や「ご真言」などは基本中の基本です。(印は、一般人に関しては特に必要はございません、せいぜい大日如来様の智拳印だけ覚えておかれたら十分です)




お四国お遍路の逆回り・逆打ちは3倍の功徳を得られる、などとツアー会社を中心にまことしやかに述べられていますが、お遍路の基本は「順打ち」でございます。



基本を疎かにしての3倍の功徳など有り得ません。



【弘法大師様空海様でさえ逆打ちはされません。】



お大師様でさえされないことを何故我々普通の人間がしていいのでしょうか。
50回、100回ならいざしらず、5回や10回お遍路さんしたぐらいでベテラン面されるのはどうかと思います。



【衛門三郎さんの言い伝えには「大きな矛盾」がございます】



衛門三郎さんはお大師様にお会いしたくて、順打ちをしていて果たせず逆打ちをしてどこぞの寺社様で今際の際にお大師様にお会いできた、とのことです。



お遍路さんは言うまでもなく



【同行二人】です。



【お遍路している最中常に傍らにお大師様は居てくださるのです】


必ずです。


いつも傍らに居てくださるということは、



会うもヘッタクレもないのです。
お遍路の最中四六時中横に居てくださるのです。



それでこその
【同行二人】です。



「逆打ちすれば3倍の功徳を得られる」というのが偽の言い伝えであり、旅行会社、ツアー会社の悪い意味でのマーケティング戦略であることがあっさりと露呈します。



【お遍路はお心】です。それぞれに合ったお遍路をすれば良い、と仰る方もいらっしゃいますが、お四国八十八ヶ所にはお大師様以外にもご本尊様を初め仏様の皆々様がお祀りされています。



このブログでしつこく述べているように、



神様仏様は私達人間より
【格】も【位】も【おチカラ】も遥かに上でございます。
天文学的な差がございます。
そのお相手に対して、礼儀・礼節をもって相対することが大切なのは言うまでもありません。基本でございます。
今風に云うと【リスペクト】ですわ。


基本を大切にしないで、基本を疎かにしての行動・対応が実を結ばないどころか不幸を招くのは、どこの世界でも一緒でございます。


初心者は勿論のこと、くれぐれも5回・10回お遍路さんしたくらいで『逆うち』などされませぬように。


日々の生活や仕事もそうですが、基本を疎かにしての開運など万が一にもございません。



お遍路をはじめ神社様寺社様を「観光」として商売の道具にした会社及び団体は、今回のコロナショックで大打撃を被りました。
《閏年、逆うち、3倍の功徳…………》

虚しいだけの言葉が響きます。


逆に、本当の意味で、
人の少なくなった状態で、ご挨拶にお伺いする、お伺い出来る最大のチャンスでもあったわけです。
普段のお参りでも、人の少ない時にお参りするのが良いです。だから早朝をお薦めするのです。



正しい意味で
本当の意味で


【人の行く裏に道あり花の山】


です。