皆さんこんにちは、社労士試験も終わり、落ち込んでる暇があったら行政書士になってから必要になることをしようと考えているトミーです。今考えているのは簿記の勉強です。これは行政書士でニューヨーク州弁護士出会った方からアドバイスをいただいたことなのですが、許認可申請では法律だけでなく簿記の知識なども必要になるそうなので、私としては社労士試験の出来に落ち込んでいる暇があったら簿記や外国語など行政書士や米国移民法弁護士になってから必要になる勉強や業務に関する本を読んでいこうと思います。
ところで、皆さんは「特定行政書士」という資格をご存知でしょうか?「何かスペシャルな雰囲気の漂う名前ね」とお思いの方から「何か本当に実在するのかわからない資格ね」とお思いの方までいると思います。この特定行政書士というのは2014年の行政書士法改正により実現した資格制度で、研修を受け、効果測定というテストを受けて合格した人に特定行政書士という資格を与え、行政不服審査の代理権を認めようというものです。行政書士や弁護士でない方々からしたら「行政不服審査って何?」と思うかもしれませんから行政不服審査について先に説明させておきます。行政不服審査とは、誤解を恐れず簡単に言えば「行政を相手に行政が行った処分(許認可申請での不許可処分等)について争うためにある裁判以外の紛争解決制度」ということです。まあ、行政不服審査で審理を指揮する人も行政側の人間なので裁判と比べると公平性の度合いがいささか低いのですが、一方で裁判よりも簡易迅速で、違法な処分だけでなく不当な処分(違法とは言えないけど正当ではない)についても争うことが出来ます。
この行政不服審査、処分を受けた人は代理人を立てて行うことも可能で、弁護士は制限なく全ての行政不服審査の代理が、司法書士や社労士などは実際に使うかは別としてその業務に関する行政不服審査については代理することが可能でした。しかし行政書士は中々認められませんでした。というのも司法書士なら登記に関する不服審査、社労士なら労働、社会保険に関する不服審査など極めて限られた範囲で弁護士に取っても影響はありませんでしたが、行政書士の場合行政書士範囲が広く、行政不服審査の代理を認めるとかなり多くの分野での不服審査が可能になるので慎重な意見が多かったそうです。しかし前述の通りその行政不服審査の代理権が特定行政書士になれば認められることになりました。簡単に言えば行政書士は許認可先生のみならずそのあとの対行政の紛争解決にも進出することになったのです。
これだけ聞くと「何だ、行政書士の業務が拡大したから良いニュースじゃん。みんなで特定行政書士になろうぜ!!」とお思いになるかもしれません。しかし、実はこの特定行政書士の代理権、ある制限がかかっているのです。そしてその制限があるので「特定行政書士って本当に需要があるんか?」という疑問が行政書士、行政書士志望者から上がってきていて、行政書士さんのブログなどを拝見しても「特定行政書士はメリットあるでしょう」という人と「あまり意味のある制度ではないよね」という人がいて賛否両論といった状態です。
特定行政書士制度に疑問符を投げかける制限・・・・それは「行政書士が作成した許認可等に関する」不服審査しか出来ないということです。これはどういうことかと言うと例えば一般人が許認可申請をして行政から不許可処分を下された場合、特定行政書士は申請の段階で書類を作成していないので不服審査の代理ができないということです。つまり特定行政書士の不服審査の代理権は「行政書士or特定行政書士が作成した許認可等に関する不服審査」に限られているのです。なお誤解が多いようですが「特定行政書士本人が作成しなければできない」というわけではなく、「他の行政書士が行った申請に関する不服審査」もできるそうです。(詳しくは行政書士法コメンタールという本をご覧ください。)何でこの制限があることで特定行政書士に疑問符釜投げかけられるかと言うと、そもそも行政書士はお客さんの許認可を通し、役所とのトラブルを避けるのが仕事、だからそもそも許可が下りないような事案は事前の行政折衝でわかるのです。つまり不許可になるような事案ではそもそも申請されることはなく行政不服審査の対象となる処分が行われないということです。行政書士によっては「不許可になるような申請をするのはその行政書士の無能を表すものだ」という見解を言っている人もいますし、2ちゃんねるなどでは「行政書士会が始めた新たな資格商法」と叩かれています。
一方で実際に特定行政書士になった人や現役の行政書士さんの中から肯定的な意見が出ているのもまた事実です。私が見たとある行政書士法人さんの代表のブログてば「不服審査の代理権があれば役所との折衝がやりやすくなる」と書いてありました。どうやら不服審査を頻繁に使うというよりも「不服審査するぞ!!」と役所に圧力をかけて申請を通すための手段の一つとして使うようです。私はよくは知りませんがどうやら不服審査をされるというのは役所にとっては脅威のようです。また、たとえ本人申請に関する不服審査ができないとしても「申請の依頼を受けた段階から不服審査を見据えて顧客に説明、計画を立てるべき」という意見もあります。つまり不許可になりそう事案があったら最初から不服審査を見据えた申請対策をされてはどうか?という意見です。
ちなみに行政不服審査制度の根拠法である行政不服審査法ですが全ての行政処分について不服審査が可能というわけでなく僕が興味がある入管・帰化に関する処分は対象外てます。しかし、入管業務の実務家団体などのホームページを確認したところ、「特定行政書士ができる入管業務」という入管法に詳しい弁護士さんのセミナーが開かれ、入管法上の不服審査の代理ができる可能性について検討したそうです。団体の方もブログで「行政書士の仕事が以前にも増して法律家らしくなり、申請の枠を超えた大きな業務の拡大を感じた」と書かれています。
下にある動画はLEC講師でとある行政書士の黒沢氏が行政書士の仕事について語っているものですがこの方も特定行政書士に関して肯定的な意見をお持ちのようです。
理由としては行政不服審査法が改正され、第三者によるチェックが行われるのでより公平になるので今までよりも不服審査で処分の取り消しを実げ油脂やすくなるのではないかと言う見解を述べています。つまり再申請するよりもひょとしたら第三者が絡む行政不服審査の方が望んだ結果を得られる可能性があるというものです。
このように特定行政書士制度について賛否両論様々な意見があります。私はどちらが正しいかはわかりません。ただどちらの意見もおそらく行政書士実務の中での実体験に基づいたものであるので、尊重されるべき意見だと思います。しかし行政不服審査法改正など新しく生まれた状況も考慮されるべきです。それに行政不服審査では前述のとおり処分の不当性も争える柔軟さもあるのでひょっとしたら処分の取り消しを求めるなら行政不服審査の方がいい時もあると思います。
私としてはもし余裕があれば特定行政書士になるかとしれないという感じです。いや、おそらくお金さえあれば特定行政書士になると思います。自分が行える業務を拡大したいというのもありますし、不服審査をできてこそ行政手続きの専門家だという意見にも頷けるからです。また、行政書士制度の未来にとっても重要な制度ですし肯定的な意見もあると思うからでもあります。それに結局のところ不服審査をするかどうかは個々の行政書士の考え方やスタイルだと思うのです。再申請して許可を取ろうとする人もいれば不服審査を使おうという人もいるでしょうし、申請が通りそうになく申請を断られたら「不許可にしてください。不服審査で戦いましょう」と言って紛争に突入するという人もいるでしょう。私としてはまだ行政書士の実務のことだってわからないのだから最初から決めつけず柔軟に考えて特定行政書士になるかどうかを考えようと思います。
参考、特定行政書士に肯定的な行政書士さんの意見