エドマンド・バーク(Edmund Burke)は、その主著『フランス革命の省察』において、フランス革命を推し進めた主要な勢力として「貨幣階級(moneyed interest)」と「(政治的)文筆家(men of letters)」の結びつきを鋭く批判しました。
彼らの特徴とバークによる評価は以下の通りです。
貨幣階級(Moneyed Interest)
土地を基盤とする伝統的な貴族階級に対し、銀行家、証券投資家、商人など、動産(金銭や債券)を保有する新興のエリート層を指します。
バークは、彼らが「革新の精神(spirit of innovation)」を持ち、冒険的な試みを好むと見なしました。
従来の土地貴族の勢力を脅かし、国家を投機的な不安定な状態に陥れる存在として批判されました。
文筆家(Men of Letters / 知識人)
啓蒙思想の影響を受け、伝統、教会、既存の秩序を理性によって否定しようとする知識人層を指します。
バークは彼らを「人間権利の熱狂的な唱者」であり、世論を支配して為政者への不服従を扇動する危険な扇動者とみなしました。
バークの分析における関係性
バークは、冒険的な「貨幣階級」が、野心的な「文筆家」の新思想を利用して、伝統的秩序を破壊し、権力を奪取しようとした(あるいは、文筆家が貨幣階級を操った)と分析しています。
これは、歴史的・有機的な伝統(土地階級)を重視するバークの保守主義の観点から、根無し草な理性主義(文筆家)と投機的な資本(貨幣階級)が結びついた、文明社会を破壊する危うい勢力として描写されました。