『ドン・キホーテ』の絡みで中世ルネサンス論のブルクハルトとホイジンガから、騎士道、田園パストラル、宮廷の関わりを述べた。そこで格差平等の意識からそれぞれの違いについて述べたいと思うが、イタリア中心のブルクハルトは多少の都市からの田舎蔑視はあろうとも比較的平等意識にあったイタリアとしており、亡命貴族のコスモポリタン的な生活確保が可能であったとしている。一方フランス・ブルゴーニュ中心のホイジンガはジャクリーの反乱など農民蔑視が強い北部とし、民衆の悲惨がテーマとなった文献や宮廷嫌悪の文献が多々認められるとのことだ。
そんな違いの中、イタリアでは盛んな嘲笑や悪口合戦が国益を損なうと思って(なかばマキャベリ『君主論』の国家理性に基づく思いからか)か、上層階級では、カスティリオーネの『宮廷人』やカーサの『礼儀作法指南』ような礼節やら品格が求められる雰囲気になったらしい。
一方ネーデルラントでは『新しい信心』運動やケンピスの『キリストのまねび』が現れ、ホイジンガが述べているわけではないが、フランスではモラリストと呼ばれるようなモンテーニュやパスカルなどの宮廷生活経験者らによる自己を含めた人間考察がなされ始めた感じである。