目で見て解かる時代小説用語

此処からお仕着せも変わり、伊勢縞から綿結紬に変るのです。

元服のお仕着せ 松坂超えたなり

買い出し役になった時の給与、6両、支配役は10両。

ここまで22年掛かる。

40歳近くなります。結婚は30歳過ぎでないと店の許可が

出ませんので、江戸時代では晩婚になります。

 

そして、この辺で店によるセレクトが有ります。

今後も残って欲しい人材かどうかです。

そうでない人は肩叩きにあい、独立して「担ぎ」と呼ばれる

訪問販売から始まり、上手く行けば表長屋に店を構えます。

終身雇用ではないのです。

 

丁稚10年、手代10年、それから10年、合計30年掛かって

暖簾分けをしてもらう。

この時に、預けて置いた褒美銀を貰い、そして店から元手銀も貰い

独立するのが夢だった。

仕入れから販売まで店の基礎を習い、序列も上がって行く。

そして30年くらいかかって、店の責任者となるが、大体は、途中で

脱落してしまう。

そして、行商人や小店を出す人が多かった。

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資金は強制的に給与から差し引かれて貯金となってます。

実はこの給与は金を受け取るのではなく、

店から借りる形になっているのです。

要するに何か必要なものは、店を通して買う。

それが給与内であれば問題無い。

是は金を持たせて碌な所へ行かないようにと云う配慮でしょうか。

それだけ、無駄に使うケースが多かったという事でしょう。

冥府の王に裁かれる…会いに行ける!全国の「閻魔さま」を ...

最初は健気に藪入りの時も閻魔堂に参詣して、

早く一人前になれますようにとか願うのです。

伊勢縞の時は閻魔を尊がり」

ところが、馴れるにつれて芝居小屋や廓に行くようになるのです。

「江戸の水飲むと油を売りたがり

ともあれ、現金は持たせず店で預かるのです。

退職時は、それを返還してもらいます。

 

退職金は富沢店の例が有ります。

33年勤続の支配役を務めた例ですと。

御祝として、銀110匁の最上級の白紬一疋と銀60匁の生絹、

勤続年数によって内容が変わります。

退職金は、支配役だと越後屋ですと400両~千両と云われている。

当然貯めておいた貯金も有りますから、生活は問題ありません。

 

隣接している越後屋両替店では、しかも、ボーナスがあります。

これは担当部門売上実績(管理も含めて)が、店の売り上げに応じて

成績の良い人は退職金と同じくらい出たそうです。

 

両替店というのは、江戸時代は、金・銀・銭の3通りの金があり、

銀は明和年間に定量銀貨と云われる5匁銀と南鐐2朱銀(750文)

が出来るまで重さを計っていたのです。

両替商の看板に重さを計る天秤が有るのはその為でした。

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