指輪の作り方「鍛造と鋳造」
テーマ:加工のお話皆さん メリークリスマス!
私はダイアモンドやで 一貫したポリシーとして皆さんへの思いは出来るだけ多くの方に「本物のダイアの輝き」
を実感して頂きたいということです
どなたにもそれを感じて頂くためには60点の輝きがあるから50点のものより良いという相対的なものではなく
最低でも80点以上の”絶対的な輝き・美しさ”を持ったジュエリーでないといけないと思っています
その実現のためにダイアはメレダイアに至るまで黄金比率のものでないといけないですし
そのダイアを最大限生かす加工もとても大切です
ということで今日は指輪の製法つまり”鍛造と鋳造”について語ってみようと思います
大きな違いは簡単に言えば”鋳造”は溶かした地金を型に流し込む製法で鍛造は地金のまま叩いて・鍛えて
作ります(鍛えて作るから鍛造です)
〇 鍛造(製法)
鍛造も二種類の作り方があります
簡単に言えば”人”が作るのか”機械”が作るのかの違いです
我がグループの特徴である”4本爪の2段腰のエタニティリング”や”スリーストーンリング”などは非常に繊細で
鋳造では対応出来ず腕の立つ職人さんに委ねるしかありません
又金属をプレス機にかけて高圧で圧縮し塊状にしたものを機械で丸く打ち抜いたり 切削機で削り出したりして
作る方法もあります
鍛造の結婚指輪やエタニティリングの枠はこうした鍛造で作られたりします
以前私も機械による鍛造リングを切削機でエタニティリングの枠を試しに作りましたが
皆さんに自信を持っておススメ出来ないので没に致しました
鍛造製法のメリットは叩いて鍛えて作られるので加工硬化で金属組織が密になり質感の高い強い指輪になります
車のタイヤでも鍛造のホイールと言うと別格の扱いをされています
鍛造製法のデメリットは特に人による鍛造の場合量産が出来ず又指輪の真ん中をぐるり窪みを付けるとか
鍛造に向かないデザインがありますし 鍛造というからには腕の立つ職人さんにお願いしますので
どうしてもコストが高くついてしまいます
〇 鋳造(製法)
鋳造製法の工程はざっと以下の通りです
鋳造製法でも最初は原型を作る必要があります 原型を作りゴム型を作る(鋳造最初に画像)のですが
以前はこの原型作りが大変でした
以前はワックス原型と手作り原型で私は手作り原型を使うので時間とコストが掛かりました
でも今は原型作りにCADが利用できるようになっています
CADで容易に原型が作れるようになりました
その顕著な例がヘイローリングとも言われるセンターダイアをメレダイアが取り巻くデザインです
CAD→原型→鋳造製法で割安で作れるようになり一気に広まりました
鍛造製法とは工賃が全然違います
今皆さんが目にするジュエリーの多くはCAD→原型→鋳造という製法で作られています
逆にCADを利用できないデザインは市場から消えて行っています
これ↓なんかもそうではないかと思います
これは裏取りをされたとても格調の高いスイートテンの原型と製品です
この裏取りはお高い工賃を支払って職人さんに作って頂いたものなのですが 今となっては特に貴重な
”手作り原型”です
私も遅ればせながらCAD→原型→鋳造製法の使用をスタートさせました
と言うのも皆さん的には 求めているデザインのジュエリーが幾ら位しているんだろうというのが最も気になる
点の一つだと思うからです
この製法で最初に作りましたのがこれらです↓
そしてイヤーカフに利用し今回エタニティリングを試しています
CAD→原型→鋳造製法で枠が上がってきて内二本の留めをお願いしています
一本は共有爪割爪のフルエタニティリング(右側)で1本はハーフエタニティリング(真ん)です
両方共メレダイアの直径は2.25ー2.28㎜(0.046ct/pc)です
左側はメレダイアの直径3㎜用の枠ですが今在庫を切らしているので出来上がりは先になります
この枠は鍛造の共有爪割爪のフルエタニティリングです
今までだとお客様にこれしかご案内が出来なかったのですが これからはエタニティリングのお問い合わせを
頂いた時には鍛造と鋳造両方をご案内させて頂きます
最も美しいエタニティリングをご提供したいので メレダイア・留めにお金をかけていますが
と言っても出来る限りリーズナブルにという努力をしたいと思っています
一年の最後なので一年のまとめと来年に向けてを記事にしたいと思っています
その中で今日は加工を取り上げました
もし出来ればエタニティリング或いはダイアモンドもテーマに取り上げたいと思っています
アンレーおじさん