ダイアモンドジュエリーの裏穴(貫通穴)に思う⁉
皆さん こんにちは!
先日お客様から 光を集めるための裏穴について 「光は上からしか入らないから要らない」とか
「裏側は指で塞ぐので意味ない」とか「単に地金をケチっているだけだ」とか言う業者さんもいるが
本当はどうなんですか というご質問を頂きました
”光はダイアの裏側からも入ります” これを実験された方から頂いた画像がこれです
この実験をされたのは業者ではなく 光学的な興味で実験をされた方から頂きました
分かり難いので説明をさせて頂きますと 真っ暗な空間でダイアモンドのキューレット部分からだけ
光を入れたときに 光はダイアを通して上部に抜けているというものです
こんな感じです↓
又光をパビリオン部側面からだけ入れたものですが やはりダイアを通して上部に抜けています;
光が上部にどのように抜けるのかは定かではないですが 間違いなくダイアを通して上部に抜けています
指輪を指に着けると裏側は塞がれると仰いますが 最初から全く光を閉ざしてしまうのではなく 真裏や横からでも
”出来る限り光取り込めるようにしておく”ことが非常に重要です
実際に比べれば一目瞭然だと思うのですが 裏穴不要を仰る人たちは 実際に綺麗なジュエリーを見たことがなく
又比較されたこともないのではと思ってしまいます
地金をケチる”ってよく言うものだと思います
そもそも上のように開けた地金の粉は 依頼した私のところには戻ってこないです
ここは留めやさんの取り分とされていると思います
自社で工房を持ち留めの職人さんがいらっしゃれば当然自社に戻りますが 私のように外注する者には
戻ってはこないです
地金をケチっているジュエリーとは;
このように裏側がくり抜かれているようなジュエリーがそうです
今まで何人かのお客様に 以前から持っておられるペンダントを改作させて頂きました;
↓
このように枠を取り替えましたが 同じダイアでかなり違うことを お客様は実感されておられました
やはり正しくダイアを選び 正しい枠に留めると その違いは歴然です
この度お客様から質問されましたので SNS上でそんなこと(地金をケチっている)まで言われているのかと
驚いて検索をしてみましたらこのような記事を見つけました
う~ん 日本ではミキモトさんが始めたということではなく ハイジュエラーであれば当然のように
ヨーロッパの美しいジュエリーを参考にして裏穴や裏取りは施してきました
ダイアモンドジュエリーを作っておりますと ”綺麗”と”強度”の相反する二つの事柄をどこで折れ合いを
つけるかは非常に悩むところです
世界的なブランド”ジャー”のジュエリーを見ますと 強度をかなり犠牲にしてでも綺麗を優先させています
私は職人さんに敢えて綺麗を優先するように迫ります
職人さんに安易に妥協して欲しくないからです 妥協すればするほど簡単に作れますから
”綺麗”を実現するために”強度”とはギリギリのところで妥協すべきで安易に妥協すべきではないと思います
とは言いながらしっかり地金を付けた方が良いところはしっかりと付けておりますので
意外と目方は付いていたりします
SNS上では色々な情報が錯そうしますので 皆様におかれましても何を信じて良いのやら状態に
陥ってしまうかもしれないですね
その時は原点に戻る つまり本質を見つめ直すことだと思います
ダイアモンドジュエリーにおいてはこれが原点だと思います;
「できることなら地金を使わず 美しく輝くダイアモンドをそのままそっと指の上に収めたい」
アンレーおじさん