出版社

 新潮社; 文庫版 

発売日

2023/3/29

言語 ‏

日本語

文庫 

400ページ

定価

825円

ISBN-13 

 978-4101216324

 

 舞台に立ちたい一心で

子を捨て上京し、

キャリアの絶頂で没した

女優・伊澤蘭奢の生涯を、

彼女と深く関わった

4人の男性目線から描いた

物語

 

概要

 蘭奢が亡くなった直後、

愛人でありパトロンであり

ジャーナリストの

内藤民治が、

 

「蘭奢が人にどう愛されて、

どう憎まれたかを語ることで、

蘭奢本人の像を

浮かび上がらせられると

思ったんです」

 

と三人の男に

遺稿集の出版をもちかける

 

三人の男とは

 

学生時代から

5歳年上の彼女と

恋愛関係にあった

人気活動弁士・徳川夢声

 

蘭奢と交際した当時は

まだ学生で、

後に児童文学者となる

福田清人

 

そして

蘭奢の一人息子で、

後に小説家として

芥川賞候補にまでなる

伊藤佐喜雄

 

それぞれが蘭奢を語るが

蘭奢は

それぞれに見せた顔が違い

語る内容も全く違う

 

 日本が

近代国家へと突き進んだ

明治時代を経て大正時代へ

移行する中

 

伝統的な価値観と、

自由で開放的な空気を

感じながら

思い通り生きた蘭奢

 

舞台を目指して

妻と母の役割から降り、

島根から東京に

出たときは

既に二十七歳

 

 「四十になったら死ぬの」

 

言葉通り、

蘭奢は四十歳を前に

人生の幕は下りた

 

4人が手にする彼女の遺稿には

何が記されていたのか・・

 

感想

1927年

津和野で生まれた蘭奢は、

若くして

地元の名家に嫁ぎ

息子を産み

松井須磨子の「人形の家」に

惹かれて26歳で上京

 

舞台女優となって

松井須磨子亡き後の

新劇界を支える存在にまでになるも

38歳で病死

 

実質的な活動期間は10年もなく

その存在は

演劇に疎い自分は

全く知らなかった

 

蘭奢の人生の恋愛に於いて

深い関係がある4人には

見せる顔が違う・・

 

というのは

平野啓一郎の

「分人」の事だと思う

 

 

なので

いろいろな4人の語りで

蘭奢の面を

垣間見ることは出来たが

 

ただ、

蘭奢自身の葛藤や想いがない分

彼女の実像が見えてこないので

表面的な面しか知る事ができず

もの足りなさを感じた

 

それとも

徳川夢声が言うように

 

「華やかで地道で、

嘘つきで誠実で、

美しくて醜くて、

情熱的で冷静で、

母のようにあたたかく

淪落の女のように妖しい」

 

この言葉が

彼女を表わす全てなのかなぁ

 

演劇関係の人には

面白いかもだけど

 

自分にとっては

朝井さん本初の

モヤモヤ本でしたねー

輪舞曲(りんぶきょく)

音楽のジャンルの一つであり、

多くの楽器や声部が独立して

独自の旋律を奏でながら、

互いに交わりながら進行していく

特徴的な曲のこと

 

おまけ

3/14 5:48

日の出5:48 -2

日の入17:40  +2

昼の長さ11h51m +3

⏫5度⏬-4度晴れくもり

なりたい自分にちまけいで

3/14

体内年齢:57歳

BMI:22.5

昨日の歩数:7435歩走る人

無事過ごせて感謝音譜

 

    

今日のことば

それでもなお、

という気持ちが人生を変える。

-詠人不詳-