出版社

講談社 

第1刷発行

2012/9/20

第3刷発行

2012/11/26

言語

日本語

新書

192ページ

定価

814円

ISBN-13

978-4062881722

概略

第1章

 「本当の自分」はどこにあるか
 

第2章

 分人とは何か


第3章

 自分と他者を見つめ直す
 

第4章

 愛すること・死ぬこと
 

第5章

 分断を超えて

 

「個人」という、これまで

これ以上分ける事が出来ない、

と考えられていた概念が、

物事を捉えることに於いて

限界を感じた為、

 

著者が小説を書く中で

個人を構成する際に

「分人」という事を生み出した経緯や

分人主義に基づいた

対人関係に対する考え方や

生き方などが書かれている

 

 

たった一つの「本当の自分」など

存在しない

 

対人関係ごとに見せる

複数の顔が、

すべて「本当の自分」である

 

人は

内部に実体があるのではなく、

関係性の中にその都度、

可変的なものとして現れる

 

そう考えたほうが

よいのではないか

 

個人は

それ以上、分割できないもの

(in—dividual)

ではなく、

無限に分割可能な、

動的なもの

(dividual)としてある


 著者はこれを「分人」と名づけ

 

自分の中に

自分を探す必要はなく

自分は

他人とのあいだにある、

という事らしい

 

家族や友人といて

リラックスしている自分・・

 

小さな事で腹を立てる自分・・

 

どちらが本当の自分!?

 

と考える必要はなく

相手が違うから

コミュニケーションの取り方が

違うそれぞれの分人がいるだけで

どちらも自分

 

好きな分人か

嫌いな分人か

 

その割合が

自分の中で違っているだけ、

だという

今つきあっている相手が、

本当に好きなのかどうか、

わからなくなった時には、

逆にこう考えてみるべきである。

その人と一緒にいる時の自分が

好きかどうか? 

それで自ずと

答えは出るだろう。

-P139-

 

感想

修行の場にいるTさんに

「空白を満たしなさい」を

勧められ、

図書館で予約した矢先に

 

修行の場のお偉いさんが

著書をお勧めしていた

 

犯罪者の事で

昔の知人や近所の人が

取材された時

「優しい人」

「そんな風には見えなかった」

と言っているのを良く聞く

 

それは加害者が

被害者に対してだけ

悪人の分人を生きていて

その分人に対して罰せられる、

という考え方に納得

 

誰かと接するとき

自分では無意識で

その相手に応じた分人を

作り出している

 

分人とは

他者との相互作用の中で

作られる人格のことで、

相手に合わせて

自然と

いろいろな自分になること

 

なので

“本当の自分”を

探す必要もない

 

個性とは

その時点での分人の

構成比率みたいなもの

 

あなたと過ごしている時の

分人が好き・・

という感情を大切にして

自分の好きな分人の

構成比率を大きくすることで

嫌な分人の比率を

小さくすることが出来る、

との事

 

著者は森鴎外が好きらしく

森鴎外は

仕事」を

「仕える事」ではなく

「為(す)る事」なので

為事」と書くらしい

 

「職業というのは何であれ

その色々な「為る事」のひとつに

過ぎないけれど

死ぬまでの何十年間だかで

最も長い時間を

費やす事なので

自分の本性と

マッチしたものでなければ

耐えられないはずだ」

 

ここでいう著者の本性とは

自分の中の数ある分人の中で

最も多くの構成比率を

占めている分人の事だと思う

 

ともすると多くの人は

希望の職業に於いて

年齢や環境によって

変化する場合があり、

 

でもそれも

「分人」という概念に

当てはめれば

年齢や環境などによって

構成比率が変わるので

納得がいく

 

感覚ではわかっていた事が

言葉になった事でスッキリキラキラ

 

 

おまけ

 

11/7 6:31 アゲアゲ↑11度やじるし4度晴れ

療養二日目36.6度鼻水・咳

なりたい自分にちまけいでラブラブ

11/7 体内年齢:55歳

 BMI:21.7

     昨日の歩数:318歩足跡

無事過ごせて感謝ありがと

 

    

【今日の格言】

自分のことを、

この世の誰とも

比べてはいけない。

それは

自分自身を侮辱する行為だ。

-ビル・ゲイツ-