
本書引用p237
国友明美 48歳主婦
~ご主人の浮気相手からの電話~
「もしもし」
「--- ポンポンガールのルーシーですう。」
中略
「主人はおりませんが」
「――― そんなこと知ってるもーん。 だって 和彦 ちゃんは今私のお膝の上で眠ってるもーん。」
… 想像しただけでも、恐ろしいシチュエーションですが、((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
夫に浮気をされた明美は、区が主催している〈離婚についての学習会〉を聞きに行き、そこで講師の女性弁護士が様々な事例を紹介します。
P241本書引用
「要はですね、暴力亭主ならすぐにでも離婚すべきだと思いますが、それ以外なら離婚はおすすめしません。
何よりも食べていくことが大切です。
そのためには我慢するのが賢明です。
激情に駆られて離婚しても、その後必ず後悔します」
…この小説の設定は2007年ですが、あれから、もう20年近く。女性を取り巻く働き方や結婚観は、大きく変わりました。
けれど「女性と離婚」というテーマについては、
今もなお、形を変えながら
同じような問題が残っている気がします。

そう考えると、
「離婚=解放」ではない。
65歳以上の単身女性の貧困率は44%。
離婚したその先に、
経済的な厳しさが待っている女性も少なくありません。
そうした現実を、
垣谷さんは小説の中で
ズバリと突きつけているように思います。
「離婚を選ぶ自由」は、
昔よりずっと大きくなりました。
けれど、
「熟年離婚は、本当に女性に解放をもたらすのか」
「離婚したあと、
本当に一人で生活していけるのか」
という問題は、
今もなお残っています。
女性の熟年離婚には、
「離婚するか、しないか」という選択だけではなく、
「離婚を選べるだけの経済力を持っているか」
という、
とても深くて重たい問いが
あるのだと思います。
そして私は、
長いあいだ専業主婦やパートという形で、
家事や子育てを担い、
家族の生活を支えてきた女性が、
熟年離婚を決意したその先で、
今度は
「自分一人では生活していけない」
という現実に直面してしまうことが、
どうしても悔しいのです。
これからは、長年家庭を支えてきた女性たちが、離婚という選択をしたからといって、その先で経済的に追い詰められることのない社会であってほしい。
私は、そう願わずにはいられません。
