こちらの本を読了いたしました。照れAudibleで聴き終えたのですが、本でも読みたくなり購入しました。


 著者はジャーナリストの河合雅司さんです。河合さんは、 中1娘の国語の副教材に、現代を代表する作家としても載っていました。



この本が発行されたのは2021年の6月です。コロナが国内で確認されたのは2020年の1月ですから、その5ヶ月後( コロナによる自粛ムードが最高潮だった頃)に過剰すぎるコロナ自粛の是非を世の中に問いただした、大変勇気ある作品でした。

あの時政府やマスコミは「 高齢者の命を守るため、若者は活動を自制すべきだ」といった呼びかけを正論としました。

これに対して河合氏は「若者の行動を制限することが社会にとって自殺行為であることは分かっているのに、多くの人の理性を失わせるところが社会老化の恐ろしさである。社会の老化を看過できないのは、その先に待ち受けるのが経済的困窮だからだ。日本は人口減少が進み劣勢に立たされている。必要以上に若者の手足を縛るということは、日本人自身が不況を作り出しているようなものなのである」と指摘しました。

今やコロナはインフルエンザと同じく「5類」に認定され、コロナ自粛当時のような「死に直結する病」という恐怖は取り除かれています。

あの時、必要以上にマスコミが国民の恐怖を煽り、若者たちの行動を制限したことにより、結婚件数はコロナ前よりも 10%激減しました。(出会いも制限され、デートをするレストランもなかった)

図表の参照記事



以下 2020年から2024年までの年間出生数の推移
コロナ以降の出生数はコロナ前の2020年からコロナ後の24年を比較すると、年間にして12万人も減ってしまいました。(少子化はコロナ禍で18年も早まってしまった)

我々は高齢者の命をコロナから守るために、この数年間で何十万人という新しい命の生まれる可能性をひきかえにしました。

河合氏は「感染弱者である高齢者の健康を最大限守ることと、若い世代がアクティブに活動することは両立可能である。そういう環境を用意するのが政府や自治体の役割であり、日本を衰退から守る重要な戦略なのだ」と、コロナ自粛ムードが吹き荒れる中唱えましたが、なぜこのような声をマスコミが取り上げなかったのか、私は不思議でしょうがありません。

このように若者を縛る発想は「社会の老化」であり、まさに「国家の病巣」であると河合氏は指摘しましたが、あの時コロナ自粛を声高に唱えることができたのは、自粛による経済的な痛みを伴わない人々でした。(年金に守られた高齢者等)

コロナ自粛により廃業に追い込まれた自営業者や、 自粛 がダイレクトに収入減となってしまう非正規アルバイトの方々、水商売の方々などの悲痛の叫びは、当時のマスコミではあまり取り上げられることはありませんでした。

河合氏の指摘するように、高齢者の命を守るがための若者への過剰なコロナ自粛が、その後の何十万人という新しい命の芽吹きを遮り、未曾有の少子化時代へと我々を誘ってしまったことは、しっかりと心に留めておきたいと思います。不安

追伸 ↓ このビッグニュースもテレビでは全然報道されないですよね・・。💦 何故なのでしょうか。