
兵庫県神戸市の甲南大学で教授をなさっている前田女史ですが、以前住んでいた「阪神間の山の手」なる住宅街では、首都圏とは違い、働く母親は圧倒的な少人数だったそうです。(この本が出版されたのが2017年であり、今から8年前なので、現在とは状況が違っているかもしれません。今でもそうなんでしょうか?
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前田女史が住んでいた「阪神間の山の手」と 呼ばれる地域には芦屋市や西宮市があり、お金持ちエリアと呼ばれ ていて、若いお母さんたちは「娘にはガツガツと働かせたくはない」とおっしゃっていたそうです。
東京では共働きが増え、かつて自分は専業主婦であった母親たちも娘には「ちゃんと自立して生きていける能力を身につけさせたい」「結婚して子供が生まれても、子育てを手伝ってあげるからとにかく働き続けなさい」という考えが主流派です。
ところが前田女子が関西の大学で教鞭をとると、女子学生の中には「女の子は仕事を頑張る必要がないと親に言われている」という、働く気のない女子学生が一定数いることに驚いたそうです。
実際「満員電車に乗って職場に行くような、しんどいことは娘にさせたくない」と、母親からはっきり言われたこともあったそうです。
なんというパワーワード。

関西では「女性は働く必要がない」という意識がいまだに強く、奈良や大阪は日本の中で最も女性の就業率が低い地域なのだそうです。国税調査においても「家事手伝い」と答える未婚で無業の若い女性が何万人もいる地域なのだとか。
大阪・兵庫・奈良のいずれも、有配偶者における女性就業率が全国のなかでワースト4に入っていました。
しかしながら前田女史は、そんな彼女たちの「女は働く必要はない」というスタンスには警鐘を鳴らしています。現在未婚で無業の女性たちは、何とかして自立できる仕事を手に入れないと、将来の貧困が避けられないであろうと。 家にこもっていては誰にも会えないし、女性だから無業でもいいと放っておけば、彼女たち自身の人生にも社会にも大きな禍根を残すことになるというのです。
また、結婚相談所に登録する高収入の独身男性の最近の傾向としては「経済的に男に依存して当たり前と思っている女性とは結婚したくない」という考えが増えているそうです。
前田女子が大学で、子育てしながら働いてきたことを話すと、 学生からは「そんな女性に出会ったのは先生が初めてだ」「そんなの大変すぎてできない」「子供がかわいそう」という声がいつも上がるのだそうです。
女子学生の中には「無業や非正規でも結婚すれば問題は解決する」と考えている人が相変わらず多いそうですが、 実際には非正規や無業の女性は、正規雇用の女性よりも結婚する確率は低いそうです。(これは婚活サイトでも良く言われていること)
関西にお嫁に行くと、近居する義理の両親から常に「どこで誰と何をするのか」と監視され、 「子育ては母親の仕事だ」と、誰も子育てを手伝ってはくれないのだそうです。(・・と、本にはそう書いてありますが、本当のことなのでしょうか?
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女性の仕事のチャンスも少なく、子育てを応援する文化もない関西から、若い女性たちが続々と東京を目指し、外からの若い人も入ってこないために、関西は若い世代の流出が続き人口消滅リスクの高い地域になっているのだそうです。
関西に住む多くの母親たちは皆口をそろえて「関西では扶養の範囲を超えて女性が働ける環境が整っていない」というそうです。
関西における少子化の一番の要因は、若年女性の流出だそうです。人口とは結局のところ、女性がいなくなる地域から消えていくのであり、女性に仕事や様々なチャンスがある地域に女性は移動していくのだそうです。
そんな恐ろしい指摘の一冊でしたが、昨日のネットニュースにそれを裏付けるような 情報が載っていました。
以下は上記の記事からの引用です。河合 雅司(作家・ジャーナリスト)著
私にとっては背筋が凍るような恐ろしいお話だったのですが、皆様はどう思われますか?
いやはや、本当に恐ろしい一冊でした。(。´Д⊂)💦