ノンフィクション作家の石井光太さんの本を拝読いたしました。

 

石井光太さんの作品はどれも面白く、全て読みたいです。

昨今の格差社会の中で加熱する中学受験。我が家の子供達は2人とも中学受験を経験しました。

我が家では 2人とも集団塾には通わせず、基本的に私が家で教えました。よって都会の受験塾に見られるような、成績別クラス・席順編成、毎月の模試やテスト、偏差値のプレッシャーなどはありませんでしたが、中学受験生を抱えるお母様たちの過酷な心境が、日々沢山のブログに更新されていきます。驚き

石井氏も指摘していますが、子供が生まれつき勉強に適性のあるタイプであれば良いのですが、そうでなかった場合、親からの叱責や学習塾の成績至上主義、思うように成績が上がらない現実に押しつぶされてしまい、心まで病んでしまうケースがあります。

石井氏は少年院の取材で、そのような境遇の末に入所した子供たち(勉強やスポーツなどの無理な強制)に沢山出会ったそうです。


(私自身も含めて) 現代の受験親達が子供を勉強へと駆り立ててしまう背景には、学歴さえあれば社会的に認められ、豊かな生活を送れるのだという学歴信仰があります。

優秀な大学に行きさえすれば、良い就職ができ収入の保障を得られる。確かに男性にはそのような一面があるかもしれませんが、果たして女性はどうなのだろうと私は思ってしまいます。

女性の大学進学率は50%を超えましたが、ワーママの正社員率は32.4%となっています。

たとえ女性が良い教育を受け、企業の正社員を勝ち取っても、憧れのタワーマンションを35年の高額ダブルローンで払い続けながら、私立中学に始まる高額な教育費用を抱えて、十分な家事もできずに、定年まで家事・育児・仕事を両立し続けなければなりません。(私もその歯車のひとり)

高額な住宅ローンや教育費のためには、この馬車馬レースの競争から降りることは許されず、明日も明後日も勝ち組であり続けるために定年まで走り続ける。

それを「勝ち組」と呼ぶのであれば、我々は本当に娘達に熾烈な受験をくぐり抜けさせて勝ち組にしたいのでしょうか。もしくは「女の子は良い大学を出て良い企業に就職し、収入の高い男性を見つけてパートにでもなればいいのよ」というお母様がいたなら、何のための過酷な受験勉強だったのかとも思います。(偏差値70を誇る私の女子高の同窓会の8割は、パートか専業主婦だった衝撃悲しい)

それとも我々は目の前にある受験競争に、親のプライドをかけて躍起になっているだけなのでしょうか。(朝三暮四の悲劇💦)

↓お嫁さんが大企業に就職しているご家庭において、そのご両親が孫育てを全面に請け負い、お嫁さんが子供に与える食事はレトルトばかり。そんな記事がありました。そこまでしなければ、大企業に就職し子供を育てることはできないのでしょうか。


ちなみに私のお店のお得意様達には、 看護師長や学校の校長先生、公務員などの50代バリキャリが沢山おられます。皆様ガッツな活力に溢れていますが、 中高時代を私立の一貫校で育ったような「ザ・お嬢様タイプ」はまず見当たりません。

私がお見受けする限り、お嬢様タイプの女性は基本的にはご結婚なさると専業主婦となられます。 踏まれても起き上がる雑草の如く、世間の荒波を定年まで逞しく超えていくのはお嬢様にはお似合いになりません。

バリキャリワーママと専業主婦(パート含む)、これからの時代にどちらが良いのかは私にも分かりません。

「世の中を渡っていく"ガッツ力"は野良で育つ」。

「勉強を頑張らせること」は親として悪いことではないはずなのに、「勉強に適性があり、自ら頑張る意志がある」子供に当たれば、余裕満々の良い親でいられるし、「勉強に適性がない」「勉強が大嫌い」な子供に当たれば壮絶な教育虐待親にもなりかねない。

教育熱心と教育虐待は紙一重のグレーゾーンであり、勉強に適性のない子供の親ほど教育虐待を引き起こしやすいそうです。

そして私自身もそのグレーゾーンへの戸惑いと恐怖に、ずっと心を痛め続けている親の一人であります。悲しい

つづく