橘玲(たちばなあきら)氏のこちらの本を読了いたしました。
この本の中で共感したフレーズを3つあげてみます
①「ベストよりもベターな選択の方がコスパがいい(限定合理性)」
呉服屋にいると、浴衣に大変な理想を抱き、究極の一枚を探し続ける方に毎年出会いますが、そんな浴衣は残念ながら存在しません。そうこうしているうちに夏が終わります。
婚活もしかり。ベストな男性を追い求めている間に時は流れ、自分の年齢も上がってしまいます。
「ベストを手にいれるためのコスパ(タイパ)を考えたら、さっさとベターを手にいれた方が良い」というのは、大変合理的な考えだと思います。
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②「楽観的か悲観的かはヒトの基本的なパーソナリティの一つで、およそ半分は親からの遺伝で決まり、残りの半分が環境の影響を受けるが、思春期以降はそのパーソナリティはほぼ変わらない」
物事に対して悲観的なタイプは、生まれた時から悲観遺伝子を持っているというのです。悲観的な傾向が強い妻は「自分は浮気をされるのではないか」と常に疑心暗鬼になるため、「予自己実現」により夫に浮気されやすくなるそうです。
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③「実際にはなかった記憶も人間は作り出せる」
トラウマを催眠療法やグループ療法により「子供の頃に抑圧された記憶」を回復し、本当の自分を取り戻し、加害者である親と戦うというセラピスト療法がありました。→ アメリカでは当時これによって多くの親が、身に覚えのない虐待で投獄される事態を招いたそうです。→記憶とは"実際には起きていないこと"すらも作り出せてしまうのです。
「記憶回復療法」はセラピストにより、あるはずのない記憶を作り出されてしまう危険性があります。この作り出された記憶により PTSD を発症する患者さんもおられます。欧米から輸入されたトラウマという概念が日本でも流行し、娘が母親を毒親と批判するのも珍しくなくなったのですが、「その記憶は本当に正しいのですか?」という可能性もあるということ。
記憶はいつも正しいとは限らないのだそうです。
またトラウマ体験も、同じ体験をしても生得的にトラウマになりやすい人となりにくい人がいるという事実もあるそうです。